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夫が亡くなったら、妻の年金はどうなる?

2026-07-25

「遺族厚生年金」と「繰り下げた老齢基礎年金」は同時にもらえるのか、中学生にもわかるように徹底解説

[画像:夫婦が並んで年金手帳と電卓を見ながら微笑んでいる、温かみのあるイラスト(キャプション:もしもの時、家族の年金はどうなる?)]

はじめに:その不安、とてもよくわかります

「もし自分が先に死んでしまったら、残された妻の生活費は大丈夫だろうか」「自分の年金を遅らせて増やしている最中に何かあったら、その頑張りは無駄になってしまうのだろうか」——経営者や個人事業主の方から、こうしたご相談を本当によくいただきます。

結論からお伝えします。ご主人が亡くなった場合、奥様は「遺族厚生年金」を受け取りながら、ご自身の老齢基礎年金(繰り下げて増額した分も含めて)を同時に満額受け取ることができます。この2つは、お互いを減らし合う関係にはありません。

ただし、「老齢厚生年金」を繰り下げている場合は少し話が変わります。この記事では、年金制度が初めての方でも迷わないように、身近な例えを使いながら、仕組み・注意点・具体的な金額シミュレーションまで、順を追ってわかりやすく解説していきます。

この記事でわかること

  • 年金の「2階建て」の仕組みが、お小遣い制度に例えるだけでスッと理解できます
  • 遺族厚生年金と老齢基礎年金が、なぜ両方もらえるのかの理由
  • 「繰り下げ」で増やした年金が、死亡によって無駄にならないための注意点
  • 実際の金額でシミュレーションした、もらえる年金額のイメージ

第1章:そもそも「年金」は2階建てのビルだと考えてください

年金の話がややこしく感じる最大の理由は、「年金にも種類がある」ことを知らずに話を聞いてしまうからです。まずはこのイメージだけ持ってください。

1階部分:老齢基礎年金(国民年金)

日本に住む20歳から60歳までのすべての人が加入する、いわば「建物の1階=全員共通の土台」です。会社員でも、自営業者でも、専業主婦(主夫)でも、原則としてこの1階部分にはみんな入っています。

2階部分:老齢厚生年金

会社員や公務員など、厚生年金に加入していた人だけが上乗せでもらえる「2階部分」です。個人事業主で厚生年金に入っていなかった方は、この2階部分はありません。給料(お給料の額)に応じて、2階の広さ(もらえる金額)が変わるとイメージしてください。

[画像:2階建てのビルのイラスト。1階に『老齢基礎年金(全員共通)』、2階に『老齢厚生年金(会社員・公務員のみ)』というラベルが貼られている図解]

「遺族年金」も同じ2階建てで考える

実は、家族が亡くなったときにもらえる「遺族年金」も、同じ2階建ての建物構造をしています。

 1階:遺族基礎年金2階:遺族厚生年金
誰がもらえる?子のある配偶者、または子亡くなった方に生計を維持されていた配偶者・子など
支給の条件原則、18歳到達年度末までの子がいること厚生年金加入中の死亡などが条件。子の有無は問わない
今回のケースお子様が成人している場合は対象外になりやすい妻が受け取れる中心的な年金

お子様がすでに成人されている場合、多くのケースで中心となるのは「遺族厚生年金」です。以降はこちらを前提に解説します。

第2章:遺族厚生年金とは何か

遺族厚生年金とは、厚生年金に加入していた方(またはその年金を受け取っていた方)が亡くなったときに、生計を維持されていた配偶者などに支払われる年金です。金額の目安は、亡くなった方が本来もらえるはずだった老齢厚生年金の4分の3(75%)です。

たとえるなら「家族で分けていたリンゴの木」

夫婦で1本のリンゴの木(厚生年金)を育てていたとします。夫が亡くなっても、その木そのものは残っていて、収穫できるリンゴの4分の3を、遺された妻が受け取れる——これが遺族厚生年金のイメージです。木を最初から育て直す必要はありません。

第3章:「繰り下げ受給」とは何か

老齢基礎年金・老齢厚生年金は、本来65歳から受け取れますが、受け取り開始を66歳以降に遅らせる(=繰り下げる)ことで、金額を増やせる制度があります。

繰り下げた期間増額率備考
1年(66歳)8.4%増1か月あたり0.7%増
3年(68歳)25.2%増 
5年(70歳)42.0%増以前は70歳が上限でした
10年(75歳)84.0%増2022年4月以降、75歳まで拡大

つまり、年金の受け取りを「我慢」した分だけ、その後の金額が一生涯増え続ける仕組みです。これを「もったいないから」と後回しにしていた矢先にご主人が亡くなった、というご相談は少なくありません。

第4章:結論——遺族厚生年金と、繰り下げた老齢基礎年金は「両方とも」満額もらえる

ここが本記事の最も重要なポイントです。

なぜ両方もらえるのか

遺族厚生年金は「亡くなったご主人の年金」がベースになった給付です。一方、老齢基礎年金は「奥様ご自身が積み立ててきた年金」です。そもそも財布(お金の出どころ)が別なので、片方をもらったからといって、もう片方が減らされることはありません。

たとえるなら「実家からの仕送り」と「自分のお給料」

奥様が受け取る老齢基礎年金は、いわば奥様自身が働いて得た「お給料」。遺族厚生年金は、ご主人が遺してくれた「実家からの仕送り」。お給料をもらったからといって仕送りが止まる、ということがないのと同じです。

年金の種類誰の記録に基づくか死亡による影響
老齢基礎年金(繰り下げ分含む)妻自身の加入記録影響なし。増額分もそのまま満額受給
遺族厚生年金夫の厚生年金の記録新たに受給権が発生
老齢厚生年金(妻自身の分・繰り下げ待機中の場合)妻自身の厚生年金記録繰り下げ待機がその時点でストップ(次章で解説)

第5章:唯一の注意点——「老齢厚生年金」を繰り下げている場合

先ほどの結論には、1つだけ例外があります。それは、奥様ご自身も会社員経験があり、ご自身の老齢厚生年金(2階部分)を繰り下げて増額待機中だった場合です。

この場合、ご主人が亡くなり「遺族厚生年金」の受給権を得た時点で、老齢厚生年金の繰り下げ待機は自動的にストップします。それ以降は増額されず、その時点までの増額率で受け取るか、増額なしの本来の金額で受け取るかを選ぶことになります。そのうえで、ご自身の老齢厚生年金と遺族厚生年金の金額を比較し、遺族厚生年金の方が高ければ、その差額が上乗せして支給される「差額支給」という仕組みになります。

一方で、老齢基礎年金(1階部分)の繰り下げは、この影響を一切受けません。遺族厚生年金の受給権を得たあとも、そのまま繰り下げ待機を続けて増額幅を積み増すことも可能です。

[画像:『1階部分(老齢基礎年金)は繰り下げ継続OK』『2階部分(老齢厚生年金)は繰り下げストップ』を対比させたシンプルな比較イラスト]

手続きの流れ(ステップ図)

STEP1:ご主人が死亡 → 遺族厚生年金の受給権が発生

STEP2:年金事務所または街角の年金相談センターで「遺族厚生年金」を請求

STEP3:ご自身の老齢基礎年金は、繰り下げ待機を続けるか、ここで請求するかを選択

STEP4:老齢厚生年金を繰り下げ待機中だった場合、その時点までの増額率で受給内容を確定

STEP5:遺族厚生年金+老齢基礎年金(必要に応じて老齢厚生年金の差額分)を受給開始

第6章:具体的な金額でシミュレーションしてみましょう

会社員だったご主人と、専業主婦(第3号被保険者)だった奥様のケースで考えてみます。数字はわかりやすくするための目安です。

前提条件

  • 妻:65歳から老齢基礎年金の受給を開始せず、70歳まで繰り下げ待機中(満額の目安:年額約81万円)
  • 夫:65歳で死亡。夫の老齢厚生年金額(本来額)は年額約120万円

計算1:繰り下げによる老齢基礎年金の増額

5年間(60か月)繰り下げ → 0.7%×60か月=42%増額

81万円 ×(1+0.42)= 約115万円/年

計算2:遺族厚生年金の金額

夫の老齢厚生年金 120万円 × 3/4 = 90万円/年

計算3:合計でいくら受け取れるか

受給する年金年額(目安)
老齢基礎年金(70歳まで繰り下げ・42%増)約115万円
遺族厚生年金約90万円
合計(年額)約205万円

このように、繰り下げで積み上げた老齢基礎年金の増額分は、遺族厚生年金と何ら競合せず、丸ごと上乗せされます。「繰り下げている途中で何かあったら損をするのでは」という不安は、少なくとも老齢基礎年金に関しては杞憂だとご理解いただけたかと思います。

よくある質問(FAQ)

Q1. 遺族厚生年金には税金がかかりますか?

かかりません。遺族厚生年金は非課税所得です。所得税・住民税の計算上、収入として計上する必要はありません。ただし、健康保険の扶養認定や介護保険料の算定などで収入とみなされる場合があるため、個別の確認をおすすめします。

Q2. 妻が働いていて厚生年金に加入している場合も、遺族厚生年金はもらえますか?

もらえます。ただし収入要件(前年収入850万円未満など)を満たす必要があります。また、自身の老齢厚生年金がある場合は、前述のとおり金額の調整(差額支給)が行われます。

Q3. 遺族厚生年金は一生涯もらえるのですか?

原則として、妻が再婚しない限り一生涯受給できます(30歳未満で子のない妻は5年間の有期給付となるなど、年齢等による例外はあります)。

Q4. 老齢基礎年金の繰り下げ請求は、あとからでも取り消せますか?

繰り下げ待機中であれば、いつでも請求(受給開始)の手続きができます。一方、すでに増額された年金として受給を始めたあとに、増額前の金額に戻すことはできません。

Q5. 遺族厚生年金の請求には期限がありますか?

請求の権利(受給権)は5年で時効により消滅します。「まだ大丈夫」と後回しにせず、できるだけ早めに年金事務所で手続きすることをおすすめします。

まとめ

  • 遺族厚生年金と、妻自身の老齢基礎年金(繰り下げ増額分も含む)は、同時に満額受給できます
  • 老齢基礎年金の繰り下げは、遺族厚生年金の受給によって影響を受けません
  • 妻自身が老齢厚生年金を繰り下げ待機中だった場合のみ、その繰り下げは受給権発生時点でストップします
  • 遺族厚生年金の請求には5年の時効があるため、早めの手続きが重要です

年金制度は、ご家庭の加入歴や働き方によって、実際にもらえる金額や手続きの最適なタイミングが大きく変わります。「うちの場合はどうなるのか」を正確に知るためには、実際の年金記録に基づいた個別の試算が欠かせません。

個別具体的なケースは、加入記録や家族構成によって判断が大きく異なります。「わが家の場合はいくらもらえるのか」「繰り下げは続けるべきか」など、少しでも不安な点がございましたら、お気軽に当事務所へご相談ください。

親の死亡保険金「500万円」をもらったことを税務署に黙っていたらどうなる?追徴課税のリアルと正しく節税する完全ガイド

2026-07-24

【中学生でもわかる!】税務署のお金の補足網・非課税枠の計算・ペナルティ回避法を税理士が徹底解説

「突然亡くなった親の保険口座から、500万円の死亡保険金が振り込まれた…」
「でも、手続きも面倒だし、500万円くらいなら税務署に黙っていてもバレないんじゃないか?」
「もし後から税務署にバレたら、もの凄い金額の追徴課税(ペナルティ)を取られるのかな…?」

愛するご家族を亡くされた悲しみの中で、こうしたお金の手続きや税金に対する不安を抱えている方は非常に多くいらっしゃいます。結論からズバリ申し上げます。

💡 まずは結論!あわてて隠す必要はありません
【この記事の結論】
① 税務署に「黙っておく」ことは不可能です。保険会社から税務署へ通知が飛ぶため100%バレます!
② ただし、親の死亡保険金500万円は「非課税枠(非課税のバリア)」のおかげで、そもそも税金が1円もかからないケースがほとんどです!
③ 税金がかからないケースであっても、他の相続財産の状況によっては申告が必要な場合があり、放置すると悪質な「脱税」とみなされ重いペナルティが発生します。

この記事では、年間数多くの相続税相談を受ける「日本一親切な税理士」が、中学生でも一読でスッキリ理解できるよう、難しい専門用語をいっさい使わずに解説します。
「なぜ税務署にバレるのか?」「自分は税金を払う必要があるのか?」「どうすれば合法的に1円も損せず解決できるのか?」を完全網羅しました。ぜひ最後まで読んで、将来の不安をスッキリ解消してください!

1. なぜ税務署に黙っていても「100%バレる」のか?そのからくり

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「銀行口座に直接振り込まれただけだから、税務署には分からないはず」と思っていませんか?実は、日本の税制には税務署へお金の流れが自動的に届く強力なシステムが存在します。

保険会社が提出する「支払調書」という監視ネットワーク

保険会社は、受取人に死亡保険金を支払った際、法律(所税法第225条など)に基づき、「誰に・いくらの保険金を・いつ支払ったか」という詳細が書かれた『支払調書(しはらいちょうしょ)』という書類を作成し、税務署へ提出する義務を負っています。

分かりやすく例えると、あなたが学校で内緒でお菓子を食べたとしても、購買の購買部のおじさんが「〇〇君が今日チョコを買いました」と先生に報告書を出しているようなものです。あなたが言わなくても、先生(税務署)はすべて知っているのです。

[画像:保険会社から税務署へ支払調書が自動送信される仕組みのイラスト]
キャプション:保険金が振り込まれると同時に、保険会社から税務署へ「支払調書」が届くため、税務署はお金の動きを完全把握しています。

税務署が持つ「KSKシステム(国税総合管理システム)」のすごさ

さらに税務署は、「KSKシステム」と呼ばれる超高性能なデータベースを運用しています。全国の銀行口座、過去の確定申告データ、不動産の名義変更、そして保険金の支払調書まで、すべてのお金データがこのシステム内で紐付けられています。

そのため、「500万円くらいなら見落とされるだろう」という甘い考えは通用しません。保険金が支払われた数ヶ月〜数年後、忘れた頃に税務署から「お尋ね」という名のお手紙が届くことになります。

2. 親の死亡保険金「500万円」にかかる税金と「非課税枠」のルール

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「100%バレるなんて恐ろしい…じゃあ500万円からもっさり税金を取られてしまうの?」と不安になった方、ご安心ください!法律には、遺族の生活を守るための『最強のバリア(非課税枠)』が用意されています。

生命保険金の非課税枠=「500万円 × 法定相続人の数」

残された家族が今後の生活に困らないよう、国は「死亡保険金の一定額までは税金をかけません」という優遇措置を設けています。その計算式は非常にシンプルです。

🛡️ 家族を守る非課税バリアの計算ルール
【生命保険金の非課税枠の計算式】
 500万円 × 法定相続人(亡くなった方の配偶者や子ども)の人数

(例1)法定相続人が「子ども1人」だけの場合: 500万円 × 1人 = 500万円まで非課税!
(例2)法定相続人が「妻と子ども2人(計3人)」の場合: 500万円 × 3人 = 1,500万円まで非課税!

つまり、今回のテーマである「500万円」の保険金であれば、法定相続人が1人でもいれば、**非課税枠(500万円)の中にすっぽり収まるため、保険金そのものにかかる税金は『0円』**になります!

【注意】誰が保険料を払っていたかで「税金の種類」が変わる!

ここでひとつ重要な注意点があります。保険金にかかる税金の種類は、「誰が保険料を払っていて(契約者)」「誰が亡くなり(被保険者)」「誰が受け取ったか(受取人)」によって変わります。

パターン料負担者被保険者受取人対象となる税金
パターン①
(王道)
子ども相続税
(非課税枠が使える!)
パターン②子ども子ども所得税+住民税
(自分の投資の戻り扱い)
パターン③配偶者子ども贈与税
(親から子へのプレゼント扱い)

一般的な家庭で「親が掛金を払っていて、親が亡くなり、子が500万円を受け取った」場合は**「パターン①:相続税」**になります。この記事では最も一般的なこのパターン①をベースに解説を続けます。

3. 具体例でスッキリ理解!「あなたは税金を払う必要があるか?」判定シミュレーション

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「保険金500万円は非課税枠で0円になるなら、何も申告しなくていいの?」と思うかもしれません。ここが運命の分かれ道です!

実は、相続税には保険金とは別に**『遺産全体にかかる基礎控除(3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数)』**というもう一つの大きなバリアがあります。

[画像:相続税の2段階バリア(保険金の非課税枠+遺産全体の基礎控除)を説明する図解イラスト]
キャプション:①保険金の非課税枠(500万×人数)で保険金を消し、②残りの家や預貯金が基礎控除枠内なら相続税は完全0円です。

【ケースA】親の遺産が「現金2,000万円+保険金500万円」、家族が子ども1人の場合

具体的に数字を当てはめて計算してみましょう。

ステップ1:保険金の計算
・保険金:500万円
・非課税枠:500万円 × 1人 = 500万円
👉 500万円 - 500万円 = 課税対象の保険金は「0円」!

ステップ2:遺産全体の計算
・その他の遺産(預貯金):2,000万円
・課税対象の保険金:0円
・合計遺産額:2,000万円

ステップ3:基礎控除との比較
・基礎控除額:3,000万円 +(600万円 × 1人)= 3,600万円
👉 合計遺産2,000万円 < 基礎控除3,600万円

【結論】:相続税は「0円」! 税務署への申告も「不要」です!黙っていてもお咎めはありません。

【ケースB】親の遺産が「実家3,000万円+預貯金1,000万円+保険金500万円」、家族が子ども1人の場合

ステップ1:保険金の計算
・保険金500万円 - 非課税枠500万円 = 課税対象の保険金は「0円」

ステップ2:遺産全体の計算
・実家(不動産):3,000万円
・預貯金:1,000万円
・合計遺産額:4,000万円

ステップ3:基礎控除との比較
・基礎控除額:3,600万円
👉 合計遺産4,000万円 > 基礎控除3,600万円 (400万円オーバー!)

【結論】:オーバーした400万円に対して「相続税の申告と納税」が必要になります!保険金自体は非課税でも、全体で基礎控除を超えているため、黙っていると追徴課税の対象になります。

4. 黙っていたらどうなる?恐ろしい「追徴課税(ペナルティ)」のリアル

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ケースBのように本当は申告・納税が必要だったのに、「500万円の保険金くらいバレないだろう」と黙っていた場合、後から税務署の調査が入ります。その時に請求されるペナルティは恐ろしい金額になります。

追徴課税で上乗せされる4つのペナルティ税

■ ① 延滞税(えんたいぜい)

いわゆる「利息」です。本来納めるべきだった期限から遅れた日数分だけ、年2.4%〜9.3%程度の利息が日割りで加算されます。

■ ② 無申告加算税(むしんこくかさんぜい)

期限までに申告しなかったペナルティです。本来納めるべき税金の「10%〜30%」が上乗せされます。

■ ③ 過少申告加算税(かしょうしんこくかさんぜい)

申告はしたものの、保険金500万円を隠して少なく申告していた場合に、不足税額の「10%〜15%」が加算されます。

■ ④ 重加算税(じゅうかさんぜい)最悪のペナルティ

「意図的に隠した・偽装した」と悪質だと判断された場合、本来の税金の「35%〜40%」という強烈な税金がペナルティとして一気に上乗せされます。

⚠️ 「黙っていた代償」はあまりにも大きいです
【シミュレーション:ペナルティの威力】
本来納めるべき相続税が「50万円」だった場合…
・本来の税金:50万円
・重加算税(35%):17.5万円
・延滞税(数年分):約5万〜10万円
👉 合計「約75万〜80万円」となり、黙っていたせいで1.5倍以上の現金が一瞬で吹き飛びます!

5. あなたが今すぐ取るべきアクション【チャートで一発判定】

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「自分の場合は申告が必要なの?どう動けばいいの?」という方のために、簡単な判断ステップチャートを作成しました。上から順にご確認ください。

■ STEP 1:法定相続人の人数を確認する
   (例:妻と子2人なら 3人)
      ↓
■ STEP 2:保険金の非課税枠を計算する
   (500万円 × 人数。3人なら 1,500万円)
      ↓
■ STEP 3:受け取った保険金から非課税枠を引く
   (500万円なら非課税枠内で「0円」になることがほとんど)
      ↓
■ STEP 4:その他の遺産(不動産・預貯金・株など)をすべて足し算する
      ↓
■ STEP 5:遺産合計と基礎控除(3,000万+600×人数)を比べる
      ↓
結論判定
   👉 遺産合計が基礎控除「以下」 ➔ 申告不要!放置しても税務署はお咎めなし!
👉 遺産合計が基礎控除を「超える」 ➔ 10ヶ月以内に申告&納税が必要!税理士へ相談しましょう!
      ↓

6. よくある質問(FAQ)一問一答

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Q1. 死亡保険金500万円を自分の口座に移したら、贈与税がかかりますか?

A1. いいえ、かかりません。亡くなった親からの保険金は「相続税」の対象となり、贈与税はかかりません。また、先述の通り非課税枠(500万円×相続人の数)があるため、多くの場合は税金ゼロでそのままご自身の口座で管理できます。

Q2. 親が亡くなってからかなり時間が経ってしまいました。今からでも対処できますか?

A2. はい、今すぐ対処すれば間に合います!相続税の申告期限は「亡くなったことを知った日の翌日から10ヶ月以内」です。もし期限を過ぎてしまっていても、税務署から指摘を受ける前に「自主的に申告」すれば、重いペナルティ(重加算税)を大幅に回避できます。

Q3. 領収書や保険証券を無くしてしまったのですが、調べる方法はありますか?

A3. ご安心ください。保険会社に問い合わせれば「支払証明書」を再発行してもらえます。また、通帳の振り込み履歴からも確認が可能です。当事務所でも財産調査のサポートを行っております。

Q4. 保険金の非課税枠は、借金があった場合でも使えますか?

A4. はい、使えます。死亡保険金は受取人固有の財産とみなされるため、相続放棄をした場合でも保険金を受け取ることができ、非課税枠も適用されます(※相続放棄者の非課税枠計算には一部注意が必要です)。

7. まとめ:一人で悩まず、今すぐプロの税理士にご相談ください

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今回の重要ポイントを振り返りましょう。

保険会社から税務署へ通知がいくため、黙っていても「100%バレる」
ただし保険金500万円は「非課税枠」があるため、単体で税金がかかるケースは少ない
家や預貯金など「他の遺産」と合わせた合計が基礎控除を超えると申告が必要!
黙ったまま放置すると、後から35%以上の激重ペナルティ(追徴課税)が襲いかかる

「自分の家の場合は、結局申告が必要なの?」
「実家の土地の評価額がいくらになるか分からなくて計算できない…」
「税務署から手紙が来てしまって、どう対応していいかパニックになっている…」

そう思われた方は、どうか一人で悩まずに、当事務所の無料相談をご利用ください!

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当事務所は「日本一親切で丁寧な対応」をモットーに、複雑な相続税の試算から申告手続き、節税対策まで親身にサポートいたします。
追徴課税で損をする前に、まずはお気軽にご相談ください。

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【令和8年最新】「不動産で相続税対策」のルールが厳格化!

2026-07-23

小口化商品&アパート購入者が知るべき評価改定の全貌と対策を税理士が徹底解説

【はじめに】 「相続税対策として、不動産小口化商品を買っておこう」
「税金を減らすために、借入金でアパートを新築・購入しよう」

これまで多くの資産家や経営者の間で親しまれてきた「不動産を活用した節税ノウハウ」。しかし今、その前提を大きく揺るがす税制改正の波が押し寄せています。国税庁は令和8年(2026年)度税制改正に向けて、貸付用不動産(賃貸アパート・マンション)および不動産小口化商品の「相続税評価ルール」の厳格化へと舵を切りました。

「以前買った小口化商品はどうなるの?」「これからアパートを建てるのは危険?」「うちの相続税がどれくらい増えてしまうのか不安…」そんな疑問や不安を抱えている方も多いはずです。

本記事では、日本一親切で実務に精通した税理士が、中学生でも一読でスッキリ理解できる身近な例えを交えながら、令和8年評価改正の全貌、具体的な税金シミュレーション、そして今から講じるべき安全な対策までを徹底解説します!記事を最後まで読めば、噂に振り回されず、ご自身の資産を守るための「正しい次の一手」が明確に分かります。

💡 この記事の要点まとめ
この記事でわかること&結論:
1. なぜ「不動産節税」が国税庁に狙われ、ルールが厳格化されたのか
2. 令和8年改正の「2大ターゲット(不動産小口化商品・貸付用不動産)」の影響範囲
3. 改正前後で相続税評価額がどう跳ね上がるかの具体的数字比較
4. 駆け込み購入の危険性と、これから取れる「本当に安全な相続対策」5ステップ

■ 1. なぜ今「不動産の相続税対策」が見直されているのか?

まずは基本から確認しましょう。そもそも、なぜ現金ではなく「不動産」に換えておくと相続税が安くなっていたのでしょうか?

【例え話】リンゴでわかる「時価」と「評価額」のギャップ

ここで、1個1,000円の「高級リンゴ」を想像してみてください。

現金で1,000円を持っていると、税務署は「1,000円の価値がある」としてそのまま1,000円に税金をかけます。しかし、税務署には『リンゴの評価ルール』があり、「リンゴは傷みやすいから一律300円として計算していいですよ」という決まりがあったとします。

するとどうでしょう?1,000円の現金でリンゴを買って持っておくだけで、税金計算上の価値が「1,000円→300円」に大幅に縮小します。これが、従来の「不動産節税」のカラクリです。

📷 [画像配置指示]
現金1,000円と不動産(リンゴ)の相続税評価額のギャップを解説するイラスト図解。現金はそのまま1,000円評価だが、不動産に換えると評価額が300円に下がり、節税になる仕組みを視覚化。
(キャプション:【図解】現金と不動産における相続税評価額のズレのイメージ)

国税庁が「それはやりすぎ!」と怒った理由

不動産の「時価(実際の売買価格)」と「相続税評価額(税金計算用の価格)」には、もともとギャップがありました。特に都心のビルやタワーマンション、不動産小口化商品は、時価1億円のものが評価額2,000万〜3,000万円(約7割〜8割引き)になるケースが横行していたのです。

「ただ税金を減らすためだけに、亡くなる直前に小口化商品を買う」「借金をしてアパートを買い、相続が終わったらすぐに売却する」といった極端な節税行動が増えたため、国税庁は『あまりにも不公平だ!実態の価値(時価)に近い金額で税金を払ってもらう』とルール変更に踏み切りました。

■ 2. 令和8年(2026年)改定で何が変わる?「2つのターゲット」

今回の改正で特に大きな影響を受けるのは、以下の「2つの不動産投資・対策」です。ご自身やご家族が当てはまっていないかチェックしてください。

ターゲット:不動産小口化商品(小口化不動産)

不動産小口化商品とは、1棟何十億円もする都心の大型ビルなどを「1口100万円〜」といった形で小口にして購入できる投資商品です。小口で購入しても、実際の不動産と同じ扱いになるため、これまでは膨大な評価減メリット(節税効果)が得られました。

【改正後の変更点】:小口化商品については、一口あたりの売買実勢価格や取引価格(時価)をベースとした評価方法への見直しが行われます。これにより、「購入額1億円なのに評価額2,000万円」といった極端な圧縮は不可能となり、ほぼ買値(時価)に近い金額で評価されることになります。

ターゲット:貸付用不動産(賃貸アパート・マンション・貸ビル)

個人で節税目的のために購入・建築された「賃貸アパート」や「賃貸マンション」も対象です。

【改正後の変更点】:特に「購入・建築してから日の浅い物件(例:3年〜5年以内)」や、「相続直前に過度な借入金(ローン)で作られた賃貸物件」について、従来の路線価や固定資産税評価額による割引計算を制限し、取得価額(買った値段)や鑑査評価額に基づいた正当な評価を行う仕組みが導入されます。

■ 3. 【ビフォー・アフター比較表】改正前後で税金はどう変わる?

今回の改正によって、従来の節税手法がどのように変化するのかを表にまとめました。

対象となる不動産これまでの評価(ビフォー)令和8年以降の評価(アフター)
不動産小口化商品
(1口100万円〜等)
時価の約20〜30%で評価
(例:1億円購入→2,000万円評価)
時価(売買価格)に近い金額で評価
(例:1億円購入→8,000万〜1億円評価)
駆け込み購入の
貸付用不動産
(直前の賃貸アパート等)
路線価+借家権割合で約50〜60%評価減
(大きな節税効果あり)
取得価額ベースや実質時価で評価
(過度な評価減が認められない)
長期保有の
自宅・実業用不動産
小規模宅地等の特例などが適用可能
(従来通りの優遇)
これまで通り(大きな影響なし)
※実態のある保有は保護される
📷 [画像配置指示]
不動産小口化商品における『改正前の評価額2,000万円(税金激減)』と『改正後の評価額9,000万円(税金戻る)』の比較棒グラフ。税負担の差が一目でわかるビジュアルイラスト。
(キャプション:【図解】評価ルールの厳格化に伴う相続税評価額の跳ね上がりイメージ)

■ 4. 【具体例でシミュレーション】実際にいくら相続税が増えるのか?

「評価額が上がるのは分かったけれど、実際に払う税金はどれくらい変わるの?」という疑問にお答えするため、具体例で計算してみましょう。

💡 シミュレーション前提条件
【前提条件の設定】
・被相続人(亡くなった方):父
・相続人:子供2人(基礎控除額:4,200万円)
・その他の財産:現金5,000万円
・対策として「現金1億円で不動産小口化商品を購入」した場合で比較

【改正前】旧ルールで計算した場合

・計算手順:1. 購入した小口化商品(1億円)の評価額:2,000万円(80%引き)
2. 相続財産の合計金額:現金5,000万円 + 不動産2,000万円 = 7,000万円
3. 課税対象額(基礎控除控除後):7,000万円 − 4,200万円 = 2,800万円
4. おさめる相続税の合計額:約320万円(子供1人あたり約160万円)

【改正後】新ルールで計算した場合(評価額が時価の90%に見直された場合)

・計算手順:1. 購入した小口化商品(1億円)の評価額:9,000万円(ほぼ時価)
2. 相続財産の合計金額:現金5,000万円 + 不動産9,000万円 = 1億4,000万円
3. 課税対象額(基礎控除控除後):1億4,000万円 − 4,200万円 = 9,800万円
4. おさめる相続税の合計額:約1,420万円(子供1人あたり約710万円)

なんと、同じ1億円の投資をしていても、相続税額が「320万円 → 1,420万円」へと、約1,100万円も増えてしまう計算になります!「節税できると思って買ったのに、蓋を開けたら大損だった」という事態が実際に起こり得るのです。

■ 5. 今からできる!賢い相続税対策の「5つのステップ」

「じゃあ、もう不動産での相続税対策はあきらめるしかないの?」と絶望する必要はありません。大切なのは『国税庁から見咎められない、正攻法で安全な対策』にシフトすることです。以下のフローに沿って現状を見直しましょう。

【ステップ図】安全な資産防衛フローチャート

Step 1:所有資産の棚卸し現在保有している「不動産小口化商品」や「賃貸アパート・マンション」の購入時期・評価額・ローン残高をすべて洗い出します。
Step 2:時価と評価額のギャップ確認保有している物件が、今回の改正(令和8年ルール)でどれくらい評価額が上がりそうかを専門家に試算してもらいます。
Step 3:保有・売却の損益分岐計算「持ち続ける場合の固定資産税や維持費」と「今売却した場合の譲渡所得税・相続税」を比較し、保有継続か売却かを判断します。
Step 4:生前贈与や生命保険の活用へシフト不動産だけに頼らず、非課税枠のある「生命保険」や「生前贈与(暦年贈与・精算課税)」など、安全確実な手法へ分散します。
Step 5:信頼できる専門家へのセカンドオピニオン不動産会社や建築業者の「節税になりますよ」という言葉を鵜呑みにせず、税金専門の税理士に個別診断を依頼します。
📷 [画像配置指示]
相続対策の5ステップ(棚卸し試算比較手法分散専門家相談)を表したステップ・フローチャート図。シンプルで直感的にわかりやすいデザイン。
(キャプション:【図解】不動産節税見直しから安全な資産防衛までの5ステップ)

■ 6. よくある質問(FAQ

Q1. すでに購入してしまった「不動産小口化商品」はどうすればいいですか?

まずは購入した時期と契約内容を確認してください。令和8年の改正施行時期や経過措置の有無によって影響が変わります。無謀に投げ売りするのではなく、売却時の譲渡所得税や今後の相続税負担をトータルで試算した上で、保有し続けるか売却するかを選択しましょう。

Q2. 自分が住んでいる「マイホーム」や、昔から先祖代々引き継いでいる「賃貸物件」も対象になりますか?

いいえ、ご安心ください。今回の改正で狙われているのは「節税目的で直前に駆け込み購入した物件」や「実勢価格と評価額が著しく離れた小口化商品」です。長年所有して健全に賃貸経営を行っている物件や、ご自身が住むマイホーム(小規模宅地等の特例対象)の評価ルールが否定されるわけではありません。

Q3. 令和8年(2026年)になる前に買っておけば、ずっと旧ルールが適用されますか?

「駆け込みで購入すれば逃げ切れる」と考えるのは非常に危険です。税制改正では施行日以降に発生した「相続」から新ルールが適用されるのが一般的です。つまり、いくら令和8年前に買っていたとしても、亡くなったのが令和8年以降であれば新ルールで計算される可能性が高いです。

Q4. 今後、不動産を使った相続税対策はまったく意味がなくなるのでしょうか?

「買えば誰でも税金が激減する」という甘い手法は通用しなくなりますが、不動産を活用した対策自体が無意味になるわけではありません。収益性の高い物件で生前贈与を進めたり、実情に合わせた適切な不動産活用を行うことで、正攻法での節税効果は十分に期待できます。

■ 7. まとめと当事務所からのメッセージ(無料相談のご案内)

令和8年の「貸付用不動産・小口化商品の評価ルール厳格化」は、これまでの「不動産を買うだけで節税できる」という安易な時代が完全に終わりを迎えたことを意味しています。

しかし、過度に恐れる必要はありません。正しくルールを理解し、自分の資産状況に合わせた「適切な対策」を早めに講じれば、大切な資産を守り、円満な相続を迎えることが十分に可能です。

💡 お気軽にご相談・お問い合わせください
【個別の判断に迷ったら、当事務所へお気軽にご相談ください】

「自分の持っている小口化商品は対象になるのかな?」
「アパートを建てる計画があるけれど、一度セカンドオピニオンを聞きたい」
「我が家の相続税が結局いくらになるのか正確に試算してほしい」

相続税の試算や対策は、ご家庭の財産構成・ご家族の状況によって結論がまったく異なります。
当事務所では、相続税に強いプロの税理士が、あなたに最適な『完全オーダーメイドの資産防衛プラン』をご提案いたします。

まずはお気軽に【無料個別相談】へお申し込みください。親身になってご対応させていただきます。

国民健康保険料はなぜ高すぎるのか?合法的に激変させる節税・安くする裏ワザ完全ガイド

2026-07-22
「独立して個人事業主になったら、国民健康保険料の請求書を見て目玉が飛び出た
「売上はそこそこあるのに、税金と国保料のダブルパンチで手元にお金が全く残らない!」
そんな悩みを抱えていませんか?本記事では、日本一わかりやすく、かつ実務に精通したプロの税理士が、国保料が高い『本当の理由』と、今すぐ使える『合法的に劇的に安くする具体策』を徹底解説します!

■ 1. なぜ国民健康保険料はこんなに高いのか?仕組みを超わかりやすく解説

会社員時代は「健康保険料」を会社が半分払ってくれていました(労使折半)。しかし、個人事業主やフリーランスが加入する「国民健康保険(国保)」は、全額が自己負担となります。これが「高く感じる」最大の理由の1つです。

理由:会社員の「折半」がなくなり、100%自己負担になるから

例えば、毎月の健康保険料が4万円だったとしましょう。会社員時代は、あなたが2万円、会社が2万円を支払っていました。しかし個人事業主になると、全額の4万円をあなたが一人で支払う必要があります。実質「倍増」した感覚になるのは当然です。

理由:国保料には「経費」や「各種控除」がほとんど効かない!

所得税や住民税を計算するときは、「配偶者控除」や「扶養控除」「生命保険料控除」など、様々な控除が差し引かれます。しかし、国民健康保険料の計算では、これら多くの控除が一切適用されません!基本的には『総収入 − 必要経費 − 基礎控除(43万円)』だけで計算されてしまうため、課税対象となる金額が膨らんでしまうのです。

理由:家族が増えると「平等割・均等割」で人数分加算される

会社員の健康保険なら、妻や子どもを扶養に入れても保険料は変わりません。しかし国保には「扶養」という概念がありません。家族が1人増えるごとに「均等割(1人あたり〇万円)」という料金がそのまま加算されるため、ファミリー層ほど負担が重くなります。

🖼【画像挿入指定】
会社員時代の健康保険(半額会社負担+扶養無料)と、個人事業主の国民健康保険(全額自己負担+家族全員有料)の構造の違いを比較した分かりやすいイラスト図解
(キャプション:会社員の社会保険 vs 個人事業主の国保!こんなに違う負担の仕組み)

一目でわかる!会社員の健康保険 vs 個人事業主の国民健康保険

比較項目会社員の健康保険個人事業主の国民健康保険(国保)
保険料の負担比率会社と本人が50%ずつ(労使折半)100% 本人が全額負担
家族(扶養)の扱い何人扶養に入れても保険料は変わらない扶養の概念なし(1人ごとに均等割が加算)
計算に使われる控除扶養控除、配偶者控除、生命保険料控除等ありほぼ基礎控除(43万円)のみ適用

■ 2. 国民健康保険料を合法的に劇的に安くする5つの方法

「高すぎる国保料、指をくわえて払うしかないの?」…いいえ、そんなことはありません!実務に強い税理士が実践している、効果抜群の安くする方法をご紹介します。

方法:同業種の「国民健康保険組合(国保組合)」に加入する

特定の業種には、自治体の国保とは別に「国保組合」が存在します(例:文芸美術国民健康保険組合、建設連合国民健康保険組合、医師会国保など)。

自治体の国保は「前年の所得が増えるほど保険料が高くなる」仕組みですが、多くの国保組合は『所得に関係なく保険料が定額』です!一定以上の所得があるデザイナー、ライター、イラストレーター、建設業などの事業者様は、国保組合に乗り換えるだけで年間数十万円単位の節約になることがあります。

方法:専従者給与・経費を漏れなく計上し、「所得」そのものを下げる

国保料は「前年の所得」をベースに計算されます。つまり、正しく節税して所得を下げることが、そのまま国保料の引き下げに直結します。

青色申告を活用して最大65万円の青色申告特別控除を受けることや、家族と一緒に仕事をしている場合は「青色事業専従者給与」を活用して適正な給与を支払い、経費化することが極めて有効です。

方法:「マイクロ法人」を設立し、社会保険に加入する(超強力!)

売上や所得が大きくなってきた個人事業主に最もおすすめなのが、「マイクロ法人(事業用・プライベート用の2つの箱を持つ仕組み)」の活用です。

自ら設立した小さな法人から「最低限の役員報酬(例:月額4万5,000円程度)」を設定して支給すると、法人の社会保険(健康保険・厚生年金)に最安ランクの保険料で加入できます。個人事業側の所得がいくら高くても、個人事業側の国保料は「ゼロ(脱退する)」になり、全体の社会保険料負担が劇的に減少します。

🖼【画像挿入指定】
マイクロ法人を活用して、高い国保を脱退し、最安の協会けんぽ(社会保険)へ移行する仕組みの全体フロー図
(キャプション:マイクロ法人化による社会保険料カットの仕組み!個人+法人の最適化)

方法:退職・廃業・売上激減時の「減免制度」を申請する

「会社を辞めたばかりで今期の収入が激減した」「災害や病気で仕事ができなくなった」という場合、お住まいの自治体の市役所・区役所で「国民健康保険料の減免申請」を行うことができます。条件を満たせば、保険料が半額や免除になるケースもあります。自治体によって条件が異なるため、早めの確認が必要です。

方法:退職直後なら「任意継続」と「国保」を比較する

会社を退職して独立する直後の場合、元いた会社の健康保険をそのまま最長2年間継続する「任意継続」という制度があります。退職直後は「任意継続の保険料」と「国保の保険料」のどちらが安くなるか、必ず事前に試算をして比較してから加入先を選びましょう。

■ 3. 具体例シミュレーション:年間いくら安くなる?

では、具体的な数字を使ってどれくらい変わるのか見てみましょう。

事例:デザイナー Aさん(独身・年間所得 600万円)の場合

パターンA:自治体の国民健康保険にそのまま加入していた場合
年間 国民健康保険料:約 62万円

パターンB:「文芸美術国民健康保険組合」へ加入変更した場合
年間 保険料(定額):約 26万円

削減効果:年間で【約36万円】の節約!(月々3万円以上の手残りが増加!)

事例:ITエンジニア Bさん(売上1,000万円・所得 800万円)の場合

パターンA:そのまま個人事業主として国保に加入(上限額適用)
年間 国民健康保険料:約 104万円(上限付近)+ 国民年金約20万円 124万円

パターンB:マイクロ法人を設立し、役員報酬月4.5万円で社会保険に加入した場合
年間 社会保険料(法人+個人合計):約 26万円(厚生年金含む!)

削減効果:年間で【約98万円】の社会保険料削減!さらに将来もらえる年金も手厚くなります。

■ 4. 国保料を安くするための実務ステップ(文字フロー)

【ステップ1:現状の所得と国保料の試算】
 前年の確定申告書を用意し、お住まいの自治体公式HPシミュレーション等で国保料の額を把握する。
   
【ステップ2:自分の業種に「国保組合」があるかリサーチ】
 デザイン・建設・医師・薬剤師など、該当する業界団体・組合の加入要件と定額保険料を確認。
   
【ステップ3:マイクロ法人設立のシミュレーションを行う】
 所得が500万円〜600万円を超えている場合、税理士に相談して「法人設立コスト vs 保険料削減額」を試算。
   
【ステップ4:確定申告での節税(専従者給与・経費・控除)を徹底実行】
 漏れている経費がないか、青色申告特別控除をフル活用できているかをチェックして申告。

■ 5. よくある質問(FAQ

▼ Q1. 国民健康保険料を払い忘れ・滞納したらどうなりますか?

A1. 滞納すると延滞金が発生するだけでなく、有効期限の短い「短期被保険者証」に切替えられたり、病院窓口で一旦全額(10割)自己負担となる「資格証明書」が発行される恐れがあります。最終的には資産の差し押さえに至る可能性もあるため、払えない場合は放置せず市役所の窓口へ分割納付などの相談をしましょう。

▼ Q2. 家族を私の国保の扶養に入れることは本当にできないのですか?

A2. はい。国民健康保険には「扶養」という制度自体が存在しません。配偶者や子どもであっても、1人ひとりに「均等割」がかかります。家族が多い方ほど、会社の社会保険やマイクロ法人の社会保険に移行した際の節約メリットが大きくなります。

▼ Q3. マイクロ法人を作って社会保険に入るのは、違法やズルではないのですか?

A3. 全く違法ではありません。日本の法律上、法人を設立して事業を行い、そこから役員報酬を支払う場合は社会保険の「義務加入」となります。法律・制度のルールに則った完全かつ合法的な仕組みです。

■ 6. まとめ:高すぎる国保料は放置せず、プロと一緒に見直そう!

国民健康保険料は、何も対策をしないと所得に応じてどこまでも高くなってしまいます。しかし、「国保組合への移行」「確定申告での適切な節税」「マイクロ法人の活用」など、正しい知識と実務アプローチを知っていれば、合法的に大幅な節約が可能です。

【当事務所からのご案内】
「自分の所得だとどの方法が一番お得なの?」
「マイクロ法人を作りたいけれど、何から始めればいいかわからない
個別具体的なケースや最適な試算は、事業規模や家族構成によって大きく異なります。

当事務所では、個人事業主・経営者様一人ひとりに合わせた「社会保険料・税金の最適化シミュレーション」を実施しております。まずはお気軽にお問い合わせフォームよりご相談ください!

【失業保険】60〜65歳の上限増額メリットとは?

2026-07-21


基本手当の計算方法と受給総額を徹底解説
〜定年後の再就職・起業で損をしない!中学生でもわかる雇用保険の最新ガイド〜
■ はじめに:60歳を超えてからの失業保険、実は大きな「チャンス」で
す!
「60歳で定年を迎えたけれど、まだまだ元気に働きたい!」
「60代からの失業保険(雇用保険の基本手当)って、現役時代より安くなっちゃうのかな…?」
「定年退職後に再就職するか、自分で起業するか迷っているけれど、失業保険はいくらもらえるんだ
ろう?」
こんなお悩みや疑問をお持ちではありませんか?
結論から申し上げますと、60歳〜65歳未満の失業保険(基本手当)は、制度の改定や上限額の見直し
によって、上手に活用すれば「第二の人生のスタートダッシュを支える貴重な資金」になります!
「失業保険」と聞くと、なんだか難しくて複雑な計算式がいっぱい出てくるイメージがありますよね
。でも安心してください。
この記事では、年間数多くの経営相談や定年後の起業支援を行ってきた税理士の視点から、60歳〜65
歳未満の方が受け取れる失業保険の仕組み、上限額増額のメリット、具体的な受給総額のシミュレー
ションまで、「中学生でも一読でスッキリ理解できる」レベルでわかりやすく噛み砕いて解説します

�� 【画像配置指定】60代の男女が定年後に笑顔でセカンドキャリアや起業の計画を立てている親しみや

すいイラスト

(キャプション:60代からのセカンドキャリア!失業保険を正しく理解して賢く活用しましょう)

�� この記事を読むことで得られる3つのメリット
① 60歳〜65歳未満における「基本手当日額の上限改定」のメリットが理解できる!
② 自分の給与から「失業保険が1日あたり・総額でいくらもらえるか」がカンタン計算できる!

③ 再就職・起業・再雇用…自分にとって一番得する選択肢と税務・社会保険のコツがわかる!

■ 1. そもそも「失業保険(基本手当)」ってどんな制度?
まずは、失業保険の基本の「き」から整理しましょう。
私たちが普段「失業保険」と呼んでいるものの正式名称は、雇用保険の「基本手当」といいます。
◆ お小遣いに例えると一発でわかる!基本手当の考え方
失業保険を身近な「毎月のお小遣い」に例えてみましょう。
あなたが会社で働いている間、毎月の給料から「雇用保険料」というお金をコツコツ積み立てていま
す。これは例えるなら、「万が一のときのために貯めておく共有のお小遣い箱」です。
そして会社を辞めて「新しい仕事を探す期間」、収入が途絶えて困らないように、そのお小遣い箱か
ら毎日一定のお金(基本手当日額)が支給されます。これが失業保険の仕組みです。
ただし、誰でも無条件にもらえるわけではありません。次の2つの条件を満たす必要があります。
【失業保険がもらえる2つの絶対条件】

  1. 「働く意欲と能力」があり、積極的に求職活動(お仕事探し)をしていること
  2. 退職前の一定期間(原則として退職前2年間に12ヶ月以上)、雇用保険に入っていたこと

※注意点:定年退職後に「もう一生働かずにのんびり暮らすぞ〜!」という方は、残念ながら「働く
意欲」がないとみなされるため、失業保険は受け取れません。
■ 2. 60〜65歳未満の失業保険上限額と「増額メリット」とは?
ここからが本題です!60歳〜65歳未満の方の失業保険には、他の年齢層とは異なる特別なルールがあ
ります。
◆ 年齢ごとの「基本手当日額の上限」とは?
失業保険で1日あたりにもらえるお金の上限を「基本手当日額の上限額」といいます。この上限額は、
厚生労働省によって毎年8月に見直し(物価や賃金の変動に応じた改定)が行われています。
年齢区分によって上限額が決められており、45歳〜59歳が最も高く設定されています。60歳〜64歳は
現役世代より少し上限が下がりますが、定期的な改定により増額・改定が行われており、高収入だっ
た方でも一定の給付が手厚く保証されています。
年齢区分 賃金日額の上限 基本手当日額の上限(
目安)

特徴・給付率

29歳以下 約14,000円前後 約7,000円前後 給付率:50%〜80%
30歳〜44歳 約15,500円前後 約7,700円前後 給付率:50%〜80%
45歳〜59歳 約17,000円前後 約8,500円前後 上限額が全年齢で最も高

60歳〜64歳 約16,500円前後 約7,300〜7,400円前後 給付率:45%〜80%(下
限率が低い)

◆ なぜ「上限増額」が大きなメリットになるのか?
毎年8月の改定や制度の見直しによって上限額が増額されると、退職前にある程度の給料をもらってい
た60代の方にとって、以下のような大きなメリットが生まれます。
▼ メリット1:1日あたりの給付額が増え、毎月の生活が安定する
1日あたりの上限が数十円〜数百円上がるだけでも、月に換算すると数千円、受給期間(90日〜150日
)全体で見ると数万円単位で受給総額が増加します!
▼ メリット2:再就職・起業の準備期間にじっくり腰を据えられる
失業保険の手厚いサポートがあるおかげで、「焦って妥協した再就職先を選ぶ」ことなく、本当にや
りたい仕事や起業準備に時間をかけることができます。
�� 【画像配置指定】年齢別の失業保険上限額の変化と、上限増額によって受給総額がアップするイメー

ジのグラフイラスト

(キャプション:上限額の改定によって、60代の受給総額もしっかり底上げされます!)

■ 3. 中学生でもわかる!基本手当(失業保険)の計算方法
「自分はいったい毎日いくらもらえるんだろう?」を計算する方法を、3つのステップで分かりやすく
解説します!
◆ 【ステップ1】退職前6ヶ月間の「賃金日額」を出す
退職する前の直近6ヶ月間に支払われた「給与の額面総額(賞与・ボーナスを除く、残業代や手当は含
む)」を180日で割ります。
�� 賃金日額の計算式
賃金日額 = 退職前6ヶ月間の給与総額(※ボーナス除く) ÷ 180日

例:退職前6ヶ月間の給与合計が 180万円 の場合

180万円 ÷ 180日 = 10,000円(これがあなたの賃金日額です)
◆ 【ステップ2】「給付率(45%〜80%)」をかける
賃金日額に、給付率をかけます。
給付率は「お給料が低かった人ほど高くなり(最大80%)、お給料が高かった人ほど低くなる
(60〜64歳は最小45%)」というルールになっています。これは、収入が少なかった人の生活をより
手厚く守るためです。
�� 60歳〜64歳の給付率イメージ(りんごのお買い物に例えると…)
・お小遣いが少ない人(賃金日額が低い人):給付率 80%(しっかり手厚くサポート!)
・お小遣いが多い人(賃金日額が高い人):給付率 45%(控えめにサポート)」

◆ 【ステップ3】「基本手当日額」が確定する(上限・下限をチェック)
ステップ2で出た金額が、60歳〜64歳の上限額(約7,300〜7,400円前後)を超えていれば「上限額」が
支給され、下限額を下回っていれば「下限額」が支給されます。
■ 4. 【具体例】60歳〜65歳未満の受給総額シミュレーション
それでは、実際に数字を使って「受給総額」がいくらになるのかシミュレーションしてみましょう!
◆ 所定給付日数(もらえる日数)のルール
失業保険が何日間もらえるか(所定給付日数)は、「退職理由」と「雇用保険の加入期間」で決まり
ます。

退職理由 雇用保険加入期間 60〜64歳の所定給付日数
定年退職・自己都合退職 10年未満 90日
定年退職・自己都合退職 10年以上20年未満 120日
定年退職・自己都合退職 20年以上 150日
会社都合退職(倒産・解雇等) 1年以上(年齢・期間による) 180日〜240日等

◆ ケース別シミュレーション(定年退職・勤続20年以上=給付日数150日の場合)
▼ パターンA:元・月収30万円(退職前6ヶ月給料:180万円)の方
・賃金日額:180万円 ÷ 180 = 10,000円
・給付率:約60%(計算式あてはめ)

・基本手当日額:約 6,000円
・所定給付日数:150日
★ 受給総額:6,000円 × 150日 = 約 90万円!

▼ パターンB:元・月収50万円(退職前6ヶ月給料:300万円)の高収入の方
・賃金日額:300万円 ÷ 180 = 16,666円
・給付率:45%(上限に達するため上限額適用)
・基本手当日額:約 7,350円(上限適用)
・所定給付日数:150日
★ 受給総額:7,350円 × 150日 = 約 110万2,500円!

�� 【画像配置指定】パターンA(月収30万)とパターンB(月収50万)の受給総額比較をわかりやすく表

現したインフォグラフィック

(キャプション:勤続20年以上の定年退職なら、総額で90万円〜110万円以上の手厚い基本手当が支給されま

す!)

■ 5. 税理士が教える!60歳以降の働き方と失業保険のプロワザ
ここからは、税理士・経営コンサルタントとしての実務知識をフル活用した「お得な活用術」をお伝
えします!
◆ プロワザ1:年金と失業保険は「同時にもらえない」ことに注意!
60代前半で「特別支給の老齢厚生年金」を受け取れる権利がある方は要注意です!
法律のルール上、ハローワークで失業保険(基本手当)の手続きをすると、その期間中は「年金の支 給が全額停止」になります。
「えっ、どっちをもらった方が得なの?」と思いますよね。一般的には、年金額よりも失業保険(基 本手当)の総額の方が高いケースがほとんどです。どちらが得になるか事前に年金事務所や税理士・
社労士に試算してもらうことをおすすめします。
◆ プロワザ2:早期に再就職したら「再就職手当」でまとまった祝い金をGET!
「失業保険を全部もらってから働こう」と思っていませんか?実は、早く再就職や起業を決めた方が
得になるシステムがあります。それが「再就職手当」です!
基本手当の支給残日数が3分の1以上残って再就職や会社設立(起業)をした場合、残りの給付金の
60%〜70%が一括で支給されます。

◆ プロワザ3:60歳からの「起業・法人設立」なら失業保険を事業資金に活用!
60歳を機に「自分の長年の経験を生かして一人社長として起業したい」「コンサルタントとして独立
したい」という方が最近急増しています。
一定の要件を満たして事業を開始する場合も「再就職手当」の対象になります!開業準備の資金とし
てまとまったキャッシュが入るのは、創業期の大きな追い風になります。
■ 6. よくある質問(FAQ)〜60歳からの失業保険Q&A〜
Q1. 60歳で定年退職した後、アルバイトをしながら失業保険をもらうことはできますか?
A1. 週20時間未満の短時間アルバイトであれば、ハローワークに正しく申告することで失業保険を受け取
ることができます。ただし、働いた日数や収入額によっては、その日の基本手当日額が減額されたり支給
が先送り(繰り越し)になる場合があります。申告漏れは不正受給になるため絶対厳禁です。

Q2. 60歳で定年後、同じ会社に「再雇用(嘱託)」で残る場合も失業保険はもらえますか?
A2. 退職せずそのまま同じ会社で再雇用される場合は「失業」状態にならないため、基本手当(失業保険
)は受け取れません。その代わり、60歳以降の給与が60歳到達時より低下した場合には「高年齢雇用継
続給付」という別の給付金が支給される仕組みがあります。

Q3. 失業保険でもらったお金には「税金(所得税・住民税)」がかかりますか?
A3. いいえ、雇用保険の基本手当(失業保険)は非課税です!所得税も住民税も一切かかりません。確定
申告の際も収入として含める必要はありませんのでご安心ください。

Q4. 65歳を過ぎてから退職した場合はどうなりますか?
A4. 65歳以降に退職した場合は「基本手当」ではなく、「高年齢再就職給付金(高年齢求職者給付金)」
という一時金(30日分または50日分の一括支給)に変わります。分割で長期間もらう形ではなくなるた
め、60歳〜64歳のうちに退職して受給する方が総額としては多くなる傾向があります。

■ 7. まとめ:60歳からの損をしないセカンドキャリアのために
最後に、今回の重要ポイントを振り返りましょう!
�� 今回のまとめ
・60歳〜65歳未満の基本手当日額の上限は毎年改定され、上限増額によって受給総額がアップする!
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【完全版】自筆証書遺言は「自宅保管」だと家族が大混乱!?

2026-07-20


法務局に預ける「遺言書保管制度」を税理士が中学生にもわかるように徹底解説!

「自分が亡くなった後、家族が遺産相続で揉めないように遺言書を書いておこう」
そう考えて、机の引き出しや金庫にそっと手書きの遺言書を保管していませんか?

実は、良かれと思って自宅に保管したその手書き遺言(自筆証書遺言)、残されたご家族に「ものすごく面倒な手続き」という重い負担を背負わせることになってしまいます!
最悪の場合、せっかく書いた遺言書が「無効」になってしまうことも……。

この記事では、手書きの遺言書を自宅に置くリスクと、法務局に預けるだけでその悩みをすべて解決できる超おトクな「遺言書保管制度」について、日本一親切な専門家がどこよりも分かりやすく解説します!

1. なぜ手書きの遺言書を「自宅に保管」してはダメなのか?

手書きの遺言書(専門用語で「自筆証書遺言」といいます)を自分で書いて、そのまま自宅の机の引き出しや金庫にしまっておく人、本当に多いです。
「タダで今すぐ書けるし、いつでも書き直せるから一番ラクだよね」と思うかもしれません。
でも、これは残される家族からすると「トラブルの火種」でしかないのです。

自宅保管の3大リスク

  • 家族が気づかない、または無くしてしまうリスク:せっかく心を込めて遺言書を書いても、本人が亡くなった後に家族が見つけられなければ、ただの「落書き」と同じになってしまいます。また、大掃除や引っ越しのタイミングで、大切な遺言書を間違えて捨ててしまう悲劇も実際に起こっています。
  • 誰かに都合よく書き換えられたり、破られたりするリスク:例えば、長男に不利な内容が書かれていた場合、それを見つけた長男が「こんなものはなかったことにしよう」とコッソリ破り捨ててしまったり、都合のいいように書き換えてしまう(改ざん)危険性があります。
  • 手続きが超面倒な「検認(けんにん)」が必要になるリスク:これこそが、残された家族に最大の負担をかける「最大の壁」です。以下で詳しく説明します。

[画像:自宅保管された遺言書が抱える3大リスクのイメージイラスト
(キャプション:自宅保管は「紛失・改ざん・面倒な手続き」の温床に!)]

2. 家族を苦しめる謎の手続き「検認(けんにん)」とは?

自宅で遺言書が見つかった場合、家族はすぐにその中身を見てはいけません!
「あ、お父さんの遺言書だ!開けてみよう」とペーパーナイフで封を切った瞬間、なんと法律違反(5万円以下の過料=罰金のようなもの)になってしまいます。
自宅で見つかった手書きの遺言書は、必ず家庭裁判所に持って行って「検認(けんにん)」という手続きを受けなければなりません。

【例え話】お小遣い帳を裁判所に提出するようなもの?

検認とは、簡単に言うと「裁判官の目の前で遺言書をオープンし、『確かにこの日に、この内容で遺言書が存在していましたよ』という証拠写真をパシャリと撮って記録を残す手続き」です。
中身が正しいかどうかを判断してくれるわけではなく、あくまで「今の状態」をキープしてこれ以上の書き換えを防ぐためのものです。
この手続きをするために、家族全員(相続人全員)の戸籍謄本を山のように集め、裁判所に予約を取り、平日に相続人全員が裁判所に呼び出されます。書類集めから実際の検認日まで、早くても1ヶ月〜数ヶ月もの時間がかかってしまいます。その間、亡くなった方の銀行口座は凍結されたままで、お金をおろすことすらできません。

【一目でわかる比較表】自宅保管 vs 法務局保管

比較ポイント自宅で保管(自筆証書遺言)法務局に預ける(遺言書保管制度)
遺言書の紛失・廃棄常にリスクあり(見つからないことも)法務局が原本を保管するためリスクゼロ!
誰かによる改ざん書き換えや破棄の危険ありデジタルデータでも管理され絶対安全!
家庭裁判所の検認【必須】(数ヶ月かかり、家族に大負担)【完全に不要!】(すぐ相続手続き可能)
遺言書の書き方チェックなし(形式不備で無効になるリスクあり)法務局の職員が形式をその場でチェック!
費用(手数料)0円(ただし検認手続きで数万円かかる)1通あたりたったの「3,900円」のみ!

3. 法務局の「遺言書保管制度」をおすすめするこれだけの理由

ここまでお伝えした「自宅保管のデメリット」をすべて消し去り、さらに驚くほど安く、確実にお子さんや奥様に遺産を引き継げる公的な神サービスが、2020年からスタートした法務局の「遺言書保管制度(自筆証書遺言書保管制度)」です。

メリット:形式不備で「無効」になるのを防げる!

せっかく書いた手書きの遺言書も、「日付が書いていない」「ハンコが押されていない」といった、ほんの少しのルール違反で100%無効(ただの紙クズ)になってしまいます。
この保管制度を使うと、法務局の窓口の職員さんが「日付、お名前、ハンコは揃っていますね」と、法律的に正しい形式で書かれているかをその場で厳しくチェックしてくれます。
※ただし、遺言書の中身(『長男に100万円をあげる』といった具体的な分け方の内容)が法的に妥当かどうかまではチェックしてくれませんので、そこは税理士などのプロに相談するのが確実です。

メリット:家庭裁判所の「検認」が100%不要に!

この制度を利用する最大のメリットがこれです。国(法務局)が「本人が書いて、本人が預けに来た本物の遺言書である」と証明して保管しているため、面倒な家庭裁判所の検認手続きが一切不要になります。
あなたが亡くなった後、家族は法務局から「遺言書預かってますよ」という通知をもらい、その場で遺言書を開いてすぐに銀行や不動産の名義変更手続きを進めることができます。大切な家族をお役所の面倒な手続きから守ることができるのです。

メリット:費用がビックリするほど安い!

「でも、国にお願いするんだからお高いんでしょ?」と思うかもしれませんが、なんと保管にかかる費用は「1通あたり3,900円」だけです!
しかも、毎月の保管料などは一切かかりません。あなたが亡くなるまで、何十年でも3,900円だけで国が大切に守り続けてくれます。

4. 【超かんたん5ステップ】法務局に遺言書を預けるまでの流れ

ステップ 1:遺言書を手書きで作成する
用紙のサイズ(A4限定)や余白のルール(上5mm、下10mmなど)に従って、すべて自分の手で手書きします。※法務局のホームページに書きやすいテンプレートもあります。

ステップ 2:法務局のホームページで予約を取る
近くの法務局(遺言書保管所)へ行くための日時をネットや電話で予約します。予約なしで行くと受け付けてもらえませんので注意しましょう。

ステップ 3:必要書類と手数料(3,900円)を用意する
「自分で書いた遺言書(封はしないでおく)」「本籍地入りの住民票」「顔写真付きの本人確認書類(マイナンバーカードや免許証)」「手数料分の収入印紙」を用意します。

ステップ 4:本人が法務局の窓口へ行く
必ず「遺言を書いた本人」が直接法務局に行かなければなりません。代理人が代わりに持って行くことはできません。

ステップ 5:保管証を受け取って完了!
手続きが終わると、遺言書が法務局に保管されたことを示す「保管証」がもらえます。これで完了です!あとは家族に「法務局に預けてあるからね」と一言伝えておくだけでOKです。

5. 遺言書保管制度に関するよくある質問(FAQ

Q1. 預けた遺言書は、いつでも書き直したり、取り戻したりできますか?

A1. はい、いつでも可能です!
一度預けた遺言書を取り戻すこともできますし、内容を書き直してもう一度預け直すこともできます(その際は再度3,900円の手数料がかかります)。気が変わっても安心な仕組みになっています。

Q2. 遺言書を書いたことを秘密にしたいのですが、家族にバレずに預けられますか?

A2. 預ける段階では家族に知られることはありません。
ただし、あなたが亡くなった後には、家族(相続人)のうちの誰かが法務局に確認を求めたり、法務局から他の家族へ「遺言書が預けられていますよ」という連絡(通知)がいったりするため、最終的には必ず家族に伝わるようになっています。

Q3. 法務局に預けておけば、絶対に遺産の取り分で揉めることはありませんか?

A3. 残念ながら、揉めるリスクはゼロにはなりません。
法務局は「書き方(形式)」が合っているかは確認してくれますが、「誰に何をいくら分けるか」という中身の不公平さ(例えば、すべての財産を長男だけに譲り、次男にはゼロにするなど)までは関与してくれません。中身が不公平だと、いくら法務局に預けてあっても、後に家族間でドロ沼の裁判トラブルに発展することがあります。中身について本当に揉めないようにするためには、必ず事前に税理士などの専門家と「円満な分け方」をシミュレーションして作成することをおすすめします。

まとめ:家族を守る最初の一歩。悩んだらすぐにご相談ください!

手書きの遺言書を「自宅に置いておく」ことは、家族にとって大きなトラブルと手間の原因になります。
たった3,900円で一生の安心が手に入る「法務局の遺言書保管制度」をぜひ活用しましょう!

しかし、遺言書で本当に大切なのは「法律上正しい形式で書くこと」だけでなく、「大切な家族が、相続税で困らずに笑顔で分け合える内容にすること」です。
『我が家の場合はどれくらい相続税がかかるの?』『どう書けば子供たちが揉めずに済むの?』と少しでも不安に思われた方は、ぜひ当事務所までお気軽にご相談ください。

ご家族の状況に合わせた、日本一親切で丁寧なオーダーメイドのアドバイスをさせていただきます。

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相続放棄が2025年に過去最多32.4万件!「負動産」を家族に残さないために今できること

2026-07-19

「実家を相続したくない…」「亡くなった親に借金があったらどうしよう…」——そんな不安を感じたことはありませんか。

2025年、全国の家庭裁判所が受け付けた「相続放棄」の件数は32万4000件となり、過去最多を更新しました。これは10年前の2015年(18万9000件)と比べて、実に7割も増えた数字です。

この記事を最後まで読むと、次の3つが中学生でも理解できるレベルでわかります。

  • なぜ相続放棄が、これほどのペースで増え続けているのか
  • 相続放棄をするとどうなるのか(メリットだけでなく、見落としがちな注意点も)
  • 相続放棄という選択に頼らずに済むよう、今のうちからできる備え

結論を先にお伝えすると、相続放棄は「一度使うと後戻りができない、強力だけれど諸刃の剣となる手続き」です。だからこそ、慌てて選ぶのではなく、正しい知識を持ったうえで判断することが何よりも大切です。

1. そもそも「相続放棄」とは?中学生でもわかる例え話で解説

相続と聞くと「財産がもらえる嬉しい話」というイメージを持つ方が多いかもしれません。しかし実際には、亡くなった方(被相続人)が残したものを「プラスの財産」と「マイナスの財産」に分けて考える必要があります。

例えば、リンゴ農園を経営していたお父さんが亡くなったとします。お父さんは、立派なリンゴ農園(プラスの財産)を持っていた一方で、農機具を買うために組んだローン(マイナスの財産)も残していました。

相続とは、このリンゴ農園もローンも「まるごとセット」で受け継ぐことを意味します。良いところだけをつまみ食いすることはできません。もしローンの額があまりに大きく、農園を受け継いでも生活が苦しくなってしまうと判断した場合、家庭裁判所に申し出ることで、農園もローンも「まるごと」手放すことができます。これが「相続放棄」です。

1-1. 相続には3つの選択肢がある

実は、財産を引き継ぐかどうかについて、法律上は次の3つの選択肢が用意されています。

選択肢内容特徴・注意点
① 単純承認プラスの財産もマイナスの財産も、すべてそのまま引き継ぐ特別な手続きは不要。多くの人がこの方法を選んでいる(デフォルト)
② 限定承認プラスの財産の範囲内で、マイナスの財産(借金)を引き継ぐ相続人全員の同意が必要で手続きが複雑。利用件数は年間数百件程度と少ない
③ 相続放棄プラスの財産もマイナスの財産も、すべて引き継がない単独でできるが、一度受理されると撤回不可。2025年は32.4万件と急増

[画像:天秤の片方にコイン(プラスの財産)、もう片方に借用書(マイナスの財産)が乗っているイラスト(キャプション:相続は『良いところ取り』ができない、まるごとの引き継ぎ)]

2. なぜ2025年、相続放棄は過去最多「32.4万件」になったのか

最高裁判所が毎年まとめている司法統計年報によると、相続放棄の件数はここ10年で右肩上がりに増え続けています。

相続放棄の受理件数前年からの動き
2015年(平成27年)18万9,000件
2019年(令和元年)22万5,416件増加
2021年(令和3年)25万1,994件増加
2022年(令和4年)26万497件増加
2023年(令和5年)28万2,785件増加
2024年(令和6年)30万8,753件初めて30万件を突破
2025年(令和7年)32万4,000件過去最多を更新(前年比約5%増)

さらに注目したいのが、死亡者数に対する割合です。2025年の年間死亡者数は約159万人で、亡くなった方1人あたりに換算すると0.20件の相続放棄が発生している計算になります。2015年時点では0.15件でしたので、単に高齢化で亡くなる方が増えているという理由だけでなく、「相続放棄を選ぶ人の割合そのもの」が増えていることがわかります。

この背景には、主に次の3つの要因があると考えられます。

  • ① 使い道のない不動産(後述する「負動産」)を引き継ぎたくないという意識の高まり
  • ② 核家族化・少子高齢化により、疎遠になった親族の相続人になるケースの増加
  • ③ 自治体からの固定資産税の通知や、空き家の管理を求める連絡をきっかけに、相続放棄を検討し始める人の増加

3. 相続放棄が急増する最大の理由「負動産」とは何か

「負動産(ふどうさん)」とは、正式な法律用語ではありませんが、「持っているだけで負担になる不動産」を指す言葉として近年よく使われるようになりました。「不動産」と「負」を組み合わせた言葉です。

先ほどのお小遣いの例え話で考えてみましょう。もらったお年玉袋の中に、遊べるおもちゃと、壊れていて修理費のほうが高くつくおもちゃが両方入っていたとします。壊れたおもちゃだけを袋に戻すことはできず、「袋ごと全部もらう」か「袋ごと全部返す」かのどちらかしかない——これが、負動産を含む相続の悩ましさです。

負動産の具体例としては、次のようなものが挙げられます。

  • 買い手がつかない、過疎地域の山林や農地
  • 誰も住む予定のない、老朽化した実家(空き家)
  • 建て替えができない「再建築不可物件」
  • 借地権付きで、地主との関係が複雑な建物

これらの不動産は、所有しているだけで固定資産税がかかり、老朽化すれば倒壊のリスクや近隣とのトラブルにもつながりかねません。「相続したくない財産の代表格」として、相続放棄という選択を後押ししているのです。

[画像:古びた田舎の空き家に『固定資産税納税通知書』の封筒が重なっているイラスト(キャプション:使う予定のない実家が『負動産』になってしまう典型パターン)]

4. 相続放棄の手続きの流れ(ステップ図)

相続放棄の手続きは、次のような流れで進みます。特に重要なのは「3ヶ月」という期限です。

STEP1 相続の開始を知る(家族の死亡・自分が相続人であると知った日)

STEP2 財産調査を行う(プラスの財産・マイナスの財産を洗い出す)

STEP3 相続放棄をするかどうかを判断する ※原則、STEP1から3ヶ月以内(熟慮期間)

STEP4 被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所へ「相続放棄申述書」を提出

STEP5 家庭裁判所から届く「照会書」に必要事項を記入して返送

STEP6 「相続放棄申述受理通知書」が届いたら、手続き完了

財産調査に時間がかかり、3ヶ月以内に判断が間に合いそうにない場合には、家庭裁判所に「期間伸長の申立て」を行うことで、期限を延ばしてもらえる場合があります。「借金があるかもしれない」「財産の全体像がつかめない」という状態で自己判断するのは大変危険ですので、早めに専門家へ相談することをおすすめします。

5. 相続放棄をする前に知っておくべき5つの落とし穴

落とし穴①:財産だけを選んで放棄することはできない

「借金だけ放棄して、預金は受け取りたい」ということはできません。相続放棄は、プラスの財産・マイナスの財産のすべてを対象とする「オール・オア・ナッシング」の手続きです。

落とし穴②:一度受理されると、原則として撤回できない

家庭裁判所に相続放棄が受理されたあとに「やっぱり財産が欲しくなった」と思っても、原則として取り消すことはできません。判断は慎重に行う必要があります。

落とし穴③:次の順位の親族に、相続権が移ってしまう

自分が相続放棄をすると、民法で定められた順位にしたがって、次の順位の親族(親、それもいなければ兄弟姉妹など)に相続権が移ります。事前に何も伝えずに相続放棄をしてしまうと、思いがけず親族に借金の相続人としての立場が回ってしまい、トラブルの原因になることがあります。

落とし穴④:生命保険の非課税枠が使えなくなる

生命保険金には「500万円×法定相続人の数」という相続税の非課税枠が設けられています。しかし相続放棄をした人は、法律上「最初から相続人ではなかった」ものとして扱われるため、この非課税枠を使うことができません(受取人として指定されていれば保険金自体は受け取れますが、非課税の優遇は受けられません)。

落とし穴⑤:2023年の民法改正により、財産の管理義務が残る場合がある

2023年4月の民法改正により、相続放棄をした時点でその財産(空き家など)を「現に占有」していた場合には、次の管理者が決まるまでの間、一定の保存義務が残ることが明確化されました。「放棄すれば管理責任からも完全に無関係になる」とは限らない点に注意が必要です。

6. 具体的シミュレーション:「実家」という負動産を相続するケース

数字を使って、実際にどれくらいの負担の差が生まれるのかを見てみましょう。

【前提条件】

  • 父が死亡。相続財産は「田舎の実家」のみ(査定額300万円だが、買い手がつく見込みはほぼなし)
  • 実家の年間固定資産税:約5万円
  • 老朽化による将来の修繕・解体費用の見込み:合計約300万円
  • 相続人は子ども2人
ケース選んだ方法その後の負担(目安)
ケースA単純承認(実家を共有名義で相続)固定資産税を20年間負担すると2人合計で約200万円。加えて将来の解体費用(約300万円)や、倒壊・近隣トラブルの管理責任も背負う可能性
ケースB相続放棄財産管理から解放される一方、相続権が次順位の親族に移るため事前連絡が必要。相続人全員が放棄した場合は、家庭裁判所が選任する『相続財産清算人』が財産を清算することになり、数十万〜100万円程度の予納金が必要になるケースがある
ケースC生前に対策済み(不動産の売却・活用や、相続土地国庫帰属制度の利用を検討)相続発生時点で選択肢が広がり、家族の負担・トラブルのリスクを大きく抑えられる

このように、同じ「使い道のない実家」でも、事前に手を打っておくかどうかで、その後の家族の負担は大きく変わります。

7. 相続放棄という「対処療法」に頼らないための生前対策

相続放棄は、相続が発生した「あと」にできる対処法です。しかし本当に大切なのは、相続が発生する「前」に、家族で選択肢を話し合っておくことです。代表的な生前対策には、次のようなものがあります。

対策①:不動産の価値を早めに専門家に確認する

「負動産になりそうかどうか」は、実際に査定を受けてみないとわからないケースがほとんどです。将来相続する可能性のある不動産については、元気なうちに専門家へ相談し、現状の価値を把握しておくことが第一歩になります。

対策②:相続土地国庫帰属制度の活用を検討する

2023年4月に始まった「相続土地国庫帰属制度」を使うと、一定の要件を満たした土地に限り、法務局の審査を経て国に引き取ってもらうことができます。ただし、建物がないことや、境界が明確であることなど条件があり、10年分の管理費用相当額として、原則20万円程度からの負担金の納付が必要です。

対策③:生前贈与や家族信託を活用する

生前のうちから財産を少しずつ渡していく「生前贈与」も有効な対策の一つです。なお、2024年以降の贈与からは、亡くなる前の贈与を相続財産に加算する「持ち戻し期間」が、これまでの3年から段階的に7年へと延長されているため、実行する際は制度の最新内容を踏まえて計画することが欠かせません。

対策④:遺言書を作成し、「争族」を防ぐ

誰が何を引き継ぐのかを遺言書で明確にしておくことで、相続人同士の話し合いがまとまらず疎遠な親族にまで負担が広がってしまう事態を防ぎやすくなります。

対策⑤:空き家の特別控除の活用を視野に入れる

被相続人が住んでいた家を相続後に売却した場合、一定の要件を満たせば、譲渡所得から最大3,000万円を控除できる特例があります。適用には耐震基準や売却期限などの細かな要件があるため、該当しそうな場合は早めの確認が重要です。

8. よくある質問(FAQ)

Q. 相続放棄をすると、借金だけでなく財産も一切もらえなくなりますか?

A. はい。相続放棄は、プラスの財産とマイナスの財産を選ぶことができず、すべてを放棄する手続きです。預金や不動産などの財産だけを受け取ることはできません。

Q. 相続放棄の期限である「3ヶ月」は、いつから数えますか?

A. 原則として『自分が相続人になったことを知った日』から3ヶ月です。例えば疎遠だった親族が亡くなり、あとから自分が相続人であると知らされた場合は、その通知を受け取った日が起算日になります。

Q. 相続放棄をしたら、次に相続人になるのは誰ですか?

A. 民法で定められた順位にしたがって、次の順位の親族に相続権が移ります。例えば、子ども全員が相続放棄をすると、亡くなった方の親(直系尊属)、それもいなければ兄弟姉妹へと相続権が移っていきます。

Q. 相続放棄をしても、実家の管理義務は残りますか?

A. 2023年の民法改正により、相続放棄をした時点でその財産を『現に占有』していた場合は、次の管理者が決まるまで一定の保存義務が残ることが明確化されました。空き家に住んでいた・管理していたような場合は特に注意が必要です。

Q. 相続放棄をした方がいいか、単純承認すべきか迷ったらどうすればいいですか?

A. 借金と資産のどちらが多いか、不動産にどの程度の価値があるか、次順位の相続人への影響はどうかなど、判断すべき要素は家庭ごとに異なります。相続放棄は一度行うと撤回できないため、必ず専門家に相談したうえで判断することをおすすめします。

まとめ:相続放棄は「万能の解決策」ではありません

相続放棄は2025年、過去最多となる32万4,000件に達しました。その背景には、使い道のない「負動産」を引き継ぎたくないという、多くのご家庭の切実な事情があります。

ただし、相続放棄は一度行うと撤回できず、財産の一部だけを選ぶことができない、次の相続人に影響が及ぶといった制約もある「諸刃の剣」です。

本当に大切なのは、相続が発生してから慌てて相続放棄を検討するのではなく、元気なうちから財産の状況を把握し、生前贈与や遺言、不動産の活用など複数の選択肢を比較検討しておくことです。

「うちの実家は負動産になりそうか」「相続放棄をすべきか、単純承認すべきか」「次の相続人にどのような影響が出るのか」——こうした判断は、税務・法務の専門知識と、ご家庭それぞれの事情を踏まえた総合的な視点が欠かせません。

個別具体的なケースはご家庭ごとに事情が大きく異なり、判断が難しいものです。まずはお気軽に当事務所へご相談ください。

国民年金から天引きされるお金とは?差し引かれる仕組みと金額をやさしく解説

2026-07-17

「国民年金は満額でも月6万円台なのに、実際に振り込まれる金額はもっと少ない気がする…」そんな疑問をお持ちではありませんか。

結論からお伝えすると、年金は振り込まれる前に、税金や社会保険料が「天引き」されることがあります。これは会社員時代に給料から税金や保険料が引かれていたのと同じ仕組みが、年金にもあるためです。

この記事を読めば、次の3つが完全にわかります。

  • 国民年金(老齢基礎年金)から実際に何が引かれるのか
  • いくら引かれるのか、具体的な金額のイメージ
  • 天引きされる金額を少しでも減らす方法

中学生の方でも読めば必ず理解できるよう、専門用語はすべて身近な例え話に置き換えて説明します。最後まで読んでいただければ、年金の「手取り額」がなぜ額面より少なくなるのか、その仕組みがすっきり整理できます。

【結論】国民年金から引かれる可能性があるのは、この5つ

まず結論です。老齢基礎年金(いわゆる国民年金)を受け取るとき、条件を満たすと次の5つのお金が天引きされることがあります。

項目何のためのお金?引かれ始める目安全員が引かれる?
①所得税・復興特別所得税国の税金年金額が一定額を超えるといいえ(少なければ0円)
②住民税住んでいる自治体の税金65歳以上で一定の所得がある人いいえ(少なければ0円)
③介護保険料介護サービスの財源原則65歳以上の全員はい(所得に応じ金額が変動)
④国民健康保険料医療費の財源(75歳未満)国保加入かつ年額18万円以上国保加入者のみ
⑤後期高齢者医療保険料医療費の財源(75歳以上)75歳以上で年額18万円以上75歳以上の対象者のみ

実際に何が・いくら引かれるかは、年齢・所得・お住まいの自治体によって異なります。詳しくは記事の後半で具体例を使って解説します。

[画像:財布から「税金」「住民税」「介護保険料」「保険料」の5つの手が伸びて年金袋からお金を抜き取っている様子を描いたシンプルな図解イラスト(キャプション:国民年金から差し引かれる5つのお金)]

そもそも「天引き」とは?――特別徴収の仕組みをお小遣いで例えると

年金からお金が引かれる仕組みは、専門的には「特別徴収(とくべつちょうしゅう)」と呼ばれます。難しく聞こえますが、仕組みはとてもシンプルです。

たとえば、お子さんに月1万円のお小遣いを渡す約束をしたとします。しかし「お小遣いから、必ず携帯電話の通信費2,000円を差し引いて渡す」と決めたら、実際に手渡すのは8,000円になりますよね。

国の年金も同じ考え方です。日本年金機構が年金を支払う際に、あらかじめ税金や保険料を差し引いてから、残った金額を口座に振り込んでいます。こうすることで、受給者が自分で毎回納付手続きをする手間が省ける、というメリットがあります。

年金は「偶数月」に年6回支払われる

国民年金・厚生年金は、2月・4月・6月・8月・10月・12月の年6回、偶数月の15日(土日祝の場合は前営業日)に、前2ヶ月分がまとめて支払われます。天引きも、この支払いのタイミングごとに行われます。

[画像:2月・4月・6月・8月・10月・12月の6つの月が並んだカレンダーに、それぞれ「年金支給日(天引き後)」と書かれたシンプルな図解(キャプション:年金は偶数月・年6回に分けて支給される)]

国民年金(老齢基礎年金)から差し引かれる5つのお金を1つずつ解説

①所得税・復興特別所得税

年金も「収入」の一種なので、金額が一定を超えると所得税がかかります。ただし年金には「公的年金等控除」という、給与でいう給与所得控除にあたる大きな控除が用意されているため、年金額がそれほど多くない方は所得税が0円になるケースが少なくありません。

目安として、65歳以上の方が国民年金・厚生年金を合わせた年金収入のみの場合、年間の年金収入がおおむね214万円以下であれば、所得税はかからない仕組みになっています(令和8年分以降の基準額。基礎控除の見直しにより、これまでより非課税となる範囲が広がっています)。

この基準額は税制改正のたびに見直されるため、「去年は引かれていなかったのに今年は引かれた(またはその逆)」ということも起こり得ます。

②住民税

住民税は、お住まいの市区町村と都道府県に納める税金です。65歳以上の方の年金にかかる住民税は、年金から天引き(特別徴収)されるのが原則です。所得税と同様、年金収入が一定額以下であれば住民税もかかりません。

③介護保険料

40歳以上の方は全員、介護保険料を負担する義務があります。65歳以上になると「第1号被保険者」という区分に変わり、原則として年金から天引きされる形で納めることになります。所得税や住民税と違い、介護保険料は年金から一定額もらっている方であれば、所得の多い少ないに関わらず原則として発生します(金額はお住まいの自治体・所得によって変わります)。

④国民健康保険料(75歳未満の方)

会社の健康保険に入っていない自営業者や年金生活者は、国民健康保険(国保)に加入します。65歳以上75歳未満で国保に加入している場合、条件を満たすと国保料も年金から天引きされます。

⑤後期高齢者医療保険料(75歳以上の方)

75歳になると、それまでの国民健康保険や会社の健康保険から自動的に「後期高齢者医療制度」に切り替わります。この制度の保険料も、条件を満たせば年金から天引きされます。

[画像:会社員時代の給与明細と、年金受給者の年金振込通知書を左右に並べて、それぞれの「天引き項目」を比較したシンプルな対比図解(キャプション:給与天引きと年金天引きは仕組みが似ている)]

天引き(特別徴収)の対象になる条件

すべての年金受給者から、必ずこれら5項目が引かれるわけではありません。天引きされるかどうかは、次の条件で判定されます。

  • 原則として65歳以上であること(介護保険料・住民税・国保料・後期高齢者医療保険料の天引きの前提条件)
  • 老齢・退職・障害・死亡を理由に受け取る年金の年額が18万円以上であること
  • 所得税は年齢に関係なく、年金額が一定の基準を超える場合に発生する

例外:国民健康保険料・後期高齢者医療保険料が天引きされないケース

「介護保険料」と「国民健康保険料(または後期高齢者医療保険料)」の合計額が、天引き対象となる年金額の2分の1を超えてしまう場合、国民健康保険料・後期高齢者医療保険料は年金からは天引きされず、口座振替や納付書での支払いに切り替わります(介護保険料は天引きが優先されます)。

この判定の流れを図にすると、次のようになります。

【STEP1】65歳以上で、年金の年額が18万円以上か?   → いいえ:介護保険料等は天引きされず、自分で納付   → はい:STEP2へ  【STEP2】介護保険料は無条件で天引き対象   → STEP3へ  【STEP3】介護保険料+国保料(後期高齢者医療保険料)が、年金額の2分の1を超えるか?   → 超える:国保料(後期高齢者医療保険料)は天引きされず、納付書等で別途納付   → 超えない:国保料(後期高齢者医療保険料)も天引きされる

[画像:フローチャートの各STEPを矢印でつないだ、判定の流れをわかりやすく示した図解イラスト(キャプション:天引き対象になるかどうかの判定ステップ)]

【具体例で計算】実際にいくら天引きされるのか、シミュレーションしてみよう

ケース1:国民年金のみを受給(年額約78万円)の場合

40年間欠かさず保険料を納めた方が受け取れる、満額に近い国民年金(月約6.5万円、年額約78万円)だけを受給しているケースです。

項目金額の目安理由
所得税・住民税0円年金収入が少なく、公的年金等控除や基礎控除の範囲内に収まるため課税なし
介護保険料自治体の基準額に応じて発生65歳以上は原則負担。ただし年額18万円未満のため年金天引きではなく納付書等で納付するケースが中心
国民健康保険料自治体の基準額に応じて発生同上。年額18万円未満のため天引き対象外となることが多い

このケースでは、年金の年額が18万円(月1.5万円)を超えているため天引きの土台には乗りますが、所得税・住民税は課税最低限以下となり0円になるのが一般的です。介護保険料・国保料は所得に応じて別途発生しますが、他の年金や収入がなければ低めの金額になる自治体が多い、というのが実務上の傾向です。

ケース2:国民年金+厚生年金で月15万円(年額180万円)を受給する場合

会社員として厚生年金にも加入していた方が、老齢基礎年金と老齢厚生年金を合わせて月15万円(年額180万円)を受給しているケースです。

項目月あたりの目安年額の目安
額面(天引き前)150,000円1,800,000円
所得税・復興特別所得税0円〜数百円0円〜数千円程度
住民税数千円程度3〜5万円程度
介護保険料5,000〜9,000円程度6〜11万円程度
国民健康保険料(75歳未満の場合)5,000〜10,000円程度6〜12万円程度
手取りの目安約13万円前後約155〜160万円前後

上記はあくまで目安です。住民税・介護保険料・国民健康保険料は、お住まいの市区町村の税率・保険料率、扶養家族の有無、他の所得の有無によって金額が大きく変わります。正確な金額は「年金振込通知書」「介護保険料決定通知書」等でご確認ください。

[画像:年金額180万円の円グラフが、税金・介護保険料・国保料・手取り額に色分けされて分割されている図解(キャプション:年金180万円のケースの内訳イメージ)]

天引きされる税金・保険料を減らす3つの方法

方法①:「公的年金等の受給者の扶養親族等申告書」を必ず提出する

日本年金機構から毎年9〜10月頃に届く書類です。これを提出すると、配偶者控除や扶養控除などが年金の所得税計算に反映され、天引きされる所得税額が正しく(多くの場合は少なく)計算されます。提出しないと、控除が一切反映されない高い税額で天引きされてしまうため、届いたら必ず提出しましょう。

方法②:確定申告で使える控除を漏れなく申告する

年金にかかる所得税は年末調整のような精算が行われないため、医療費控除や社会保険料控除、生命保険料控除などを使える方は、確定申告(還付申告)をすることで払いすぎた所得税・住民税の還付を受けられる場合があります。

方法③:国民健康保険料・介護保険料の軽減制度を確認する

所得が一定以下の世帯には、国民健康保険料や介護保険料の「軽減措置」が用意されています。多くは自動的に適用されますが、世帯構成の変化があった場合などは、お住まいの市区町村の窓口で確認しておくと安心です。

経営者・個人事業主の方が特に押さえておきたいポイント

会社を経営されている方や個人事業主の方は、老齢年金の受給が始まったあとも、役員報酬や事業所得を受け取り続けるケースが多くあります。この場合、年金天引きの仕組みに加えて、次のような論点が絡んでくるため、判断が一段と複雑になります。

  • 役員報酬と年金を同時に受け取る場合の「在職老齢年金」による年金支給停止の判定
  • 退職金と年金を同じ年に受け取る場合の税務上の取り扱いの違い
  • 事業承継・相続対策を見据えた、法人・個人トータルでの資金計画

これらは一般的な会社員の年金受給とは異なる論点であり、法人の決算・申告と合わせて総合的に判断する必要があります。個別の状況によって最適な答えは大きく変わるため、専門家に相談しながら進めることをおすすめします。

よくある質問(FAQ)

Q1. 国民年金だけを受給している人でも、天引きされますか?

A. 年金の年額が18万円以上であれば天引きの対象にはなりますが、所得税・住民税は年金額が少なければ0円になることが多く、実質的に天引きされるのは介護保険料・国民健康保険料が中心になります。

Q2. 天引きされている金額は、どこで確認できますか?

A. 日本年金機構から届く「年金振込通知書」(毎年6月頃と、税額変更時)で、天引き後の振込額と天引き項目の内訳を確認できます。介護保険料・国保料は、お住まいの市区町村から届く決定通知書でも確認可能です。

Q3. 年金からの天引きをやめて、自分で納付することはできますか?

A. 天引き(特別徴収)は法律で定められた仕組みであり、条件に該当すれば原則として天引きが優先されます。ご自身の希望だけで自由に選択できるものではありません。

Q4. 65歳未満で年金を受け取っている場合も、介護保険料は引かれますか?

A. 介護保険料の年金天引きは、原則として65歳以上(第1号被保険者)が対象です。65歳未満の方が老齢年金等を受け取っていても、年金からの介護保険料の天引きは行われません(40歳以上65歳未満の方の介護保険料は、加入している医療保険の保険料と合わせて徴収されます)。

Q5. 経営者は、年金と役員報酬をあわせて確定申告する必要がありますか?

A. 年金以外に給与(役員報酬)や事業所得がある場合、原則として確定申告が必要になります。年金天引きだけでは税額の精算が完結しないため、他の所得と合算した正しい申告を行うことが重要です。

まとめ:仕組みを知っていれば、年金の手取り額に驚くことはない

最後に、この記事のポイントを整理します。

  • 国民年金(老齢基礎年金)からは、条件を満たすと所得税・住民税・介護保険料・国民健康保険料(または後期高齢者医療保険料)が天引きされる
  • 天引きの対象になるかどうかは、年齢(原則65歳以上)と年金額(年額18万円以上)で判定される
  • 所得税・住民税は年金額が少なければ0円になるケースも多いが、介護保険料は原則として発生する
  • 「扶養親族等申告書」の提出や確定申告での控除活用で、天引き額・納税額を適正化できる
  • 経営者・個人事業主の方は、役員報酬や退職金、事業承継とも絡むため、個別の判断が特に重要になる

ここまでご紹介した内容は、あくまで一般的なケースに基づく目安です。実際にいくら天引きされるか、また節税や社会保険料の適正化のためにどのような手を打てるかは、お一人おひとりの年金額・所得・家族構成・事業状況によって大きく異なります。

個別・具体的なケースについてのご判断は非常に難しく、思わぬ見落としが手取り額に大きく影響することもあります。「自分の場合はどうなるのか知りたい」「年金と事業・相続を含めてトータルで相談したい」という方は、どうぞお気軽に当事務所へご相談ください。長年の実績と専門知識をもとに、お客様一人ひとりの状況に合わせた最適なアドバイスをいたします。遠方の方にはオンライン(ZOOM)でのご相談も承っております。

「相続した借金」が免除されたら所得税はかかる?

2026-07-14

20266月・最高裁判決から読み解く「本当の争点」と、事業承継・相続で今すぐ押さえるべき注意点

この記事は、2026年6月23日に最高裁判所第三小法廷が言い渡した判決(相続債務の免除益をめぐる訴訟)をもとに、税務の専門知識がない経営者・個人事業主の方にも分かりやすく解説したものです(2026年7月時点の情報にもとづきます)。

「親の会社を継いだら、聞いていなかった多額の借金が出てきた」「銀行と話し合いを重ねた結果、残りの借金を免除してもらえることになった」――事業承継や相続の現場では、こうした場面が決して珍しくありません。

そして、多くの経営者が見落としがちなのが、「借金を免除してもらえた=ラッキー」で終わらないという点です。免除された金額が大きければ大きいほど、そこに『税金』がついて回る可能性があるからです。

2026年6月23日、最高裁判所はまさにこのテーマについて重要な判断を示しました。新聞やニュースサイトでは「最高裁、課税の可能性を認める」といった見出しが並びましたが、実際の判決文をよく読むと、話はそれほど単純ではありません。

この記事を最後まで読んでいただくと、次の3点が「予備知識ゼロ」でもはっきり理解できます。

  • 今回の最高裁判決で、実際に「決まったこと」と「まだ決まっていないこと」は何か
  • 「相続した借金だから、免除されても税金はかからない」という考え方が、なぜ通用しなくなったのか
  • 事業承継やご自身・ご家族の相続で、今後どんな点に注意して準備すればよいか

結論を先にお伝えすると、今回の判決は「借金の免除に所得税がかかると決まった」判決ではありません。「相続だから非課税になる、という理屈は成り立たない」と整理しただけであり、実際に税金がかかるかどうかは、これから改めて裁判所(東京高等裁判所)で審理される、というのが正確な理解です。順を追って見ていきましょう。

そもそも何が起きたのか?――「借金の相続」と「免除」の関係

まず、今回の話の土台になる「相続と借金」の関係を、身近な例でイメージしてみましょう。

相続というと、「現金」「不動産」「株式」といった、いわゆる“もらえる財産”をイメージする方が多いと思います。しかし実際の相続では、亡くなった方(被相続人)が抱えていた「借金」のようなマイナスの財産も、そのままプラスの財産とセットで相続人に引き継がれます。

たとえるなら、おじいちゃんから「1万円のお小遣い」をもらえることになっていたのと同時に、「友人に返さなければならない3千円の借り」もセットで引き継ぐようなものです。もらえる分だけを都合よく受け取り、返す分だけを放棄する、ということはできません。

[画像:天秤の片方に「現金・不動産などのプラスの財産」、もう片方に「借金などのマイナスの財産」を乗せ、相続人が両方をまとめて引き継ぐ様子を描いたシンプルな図解イラスト(キャプション:相続では「もらえる財産」と「背負う借金」の両方をまとめて引き継ぐ)]

今回問題になったのは、「引き継いだ借金が、その後の事情によって免除されたとき、その“得をした分”に税金がかかるのか」という論点です。

事件の時系列(何が起きたのか、ステップで確認)

実際の訴訟になった事件の流れは、次のとおりです(金額は判決文等で報じられている概算値です)。

STEP1 被相続人が金融機関との間で「裁判上の和解」を成立させる

約16億円の借入金債務について、「合計約6億2,630万円を期限どおり支払えば、残る約9億7,370万円は免除する」という内容の和解でした。

STEP2 被相続人が返済を続けるも、完済前に死亡

被相続人は約6億2,530万円まで返済を終えていましたが、条件達成に必要な最後の100万円を支払う前に亡くなりました。

STEP3 相続人が債務を承継し、残りの100万円を支払う

相続人は、この約16億円の債務(のうち未払い部分)をそのまま承継し、その後、残っていた100万円を支払いました。

STEP4 和解の条件が達成され、約97,370万円が免除される

約6億2,630万円の支払いという条件が満たされたことで、金融機関は残りの約9億7,370万円の債務を免除しました。

STEP5 税務署が「一時所得」として課税(更正処分)

税務署は、この約9.7億円の経済的利益(債務免除益)を一時所得の総収入金額にあたるとして、所得税の更正処分を行いました。

STEP6 相続人が「相続財産と同じだから非課税のはず」として提訴

相続人らは、この債務免除益は実質的に相続財産と同じものであり、所得税を課すのはおかしいとして、更正処分の取り消しを求めて訴訟を起こしました。

東京高等裁判所の判断(納税者側が勝訴)

この事件の一審に続く東京高等裁判所(令和6年1月25日判決)は、相続人側の主張を認めました。

高裁は、相続税の計算においては、この債務は「確実と認められる債務」とはいえないため、相続財産から差し引く『債務控除』の対象にはならないとしました。つまり、相続税の申告上は、この借金は「ないもの」として扱われていた、ということです。

しかしその一方で高裁は、その後に実現した債務免除の利益は、実質的には相続によって潜在的に取得していた利益であり、相続財産と同じ経済的価値を持つと判断しました。そのため、この利益にあらためて所得税を課すことは、相続税と所得税の「二重課税」を避けるための所得税法の規定(相続等により取得した財産には所得税を課さないとするルール)の趣旨に反する、と結論づけたのです。

最高裁判所の判断(高裁判決を破棄・審理を差し戻し)

これに対し、2026年6月23日、最高裁判所第三小法廷(沖野眞已裁判長)は、東京高裁とは異なる考え方を示し、高裁判決を破棄したうえで、事件を東京高裁に差し戻しました。

最高裁が示したポイントは、大きく次の2つに整理できます。

・ポイント1:「相続だから非課税」という理屈は認められない

最高裁は、本件の債務免除益は、相続人が債務を承継した“後”に、和解の条件(一定額の支払い)が達成されたことによって、初めて発生した利益であると指摘しました。相続の時点で当然に確定していた利益ではないため、「相続等によって取得した経済的価値」とは評価できない、というのが最高裁の考え方です。

そのため、相続税で債務控除が認められなかったとしても、相続後に借金が消滅したことで生じる経済的価値に、そもそも相続税は課されていない以上、そこに所得税を課しても、同じ経済的価値に相続税と所得税を二重に課すことにはならない、と判断しました。

・ポイント2:「所得税を課してよい」とまでは言っていない

ここが今回の判決で最も見落とされがちな部分です。最高裁が判断したのは、あくまで「相続を理由に非課税とする」という高裁の理屈が成り立たない、という点だけです。

沖野眞已裁判官は補足意見で、債務免除益に対する所得税課税の根拠や要件については様々な議論があると指摘したうえで、多数意見はあくまで非課税規定(所得税法9条の適用関係)の判断にとどまり、この債務免除益がそもそも所得税法上の「所得」にあたるかどうかまでは判断していない、と明記しています。

つまり最高裁は、「相続税で処理済みだから所得税は非課税」という理屈にストップをかけただけであり、「一時所得として課税してよい」という結論まで出したわけではありません。この“ねじれ”を正しく理解することが、今回の判決を読み解くうえでの最大のポイントです。

「二重課税では?」という素朴な疑問を整理する

ここまで読んで、「相続税も所得税も課されるなら、それこそ二重課税ではないか」と感じた方も多いのではないでしょうか。これは、ごく自然な感覚です。

実際、東京高裁も「実質的には相続財産と同じ経済的価値」だと考え、納税者側の主張を認めていました。しかし税のルールは、今回の事件だけでなく、将来起こり得るさまざまなケースにも適用される“共通のものさし”である必要があります。

たとえば、相続後に相続人が金融機関と改めて交渉し、当初はまったく想定されていなかった債務免除を受けられた、というケースまで「相続財産と同じだから非課税」としてしまうと、「相続によって取得した財産」と「相続後の出来事によって新たに得られた利益」の境界線が、際限なく曖昧になってしまいます。

最高裁は、このような広がりを防ぐために、①相続によって取得した財産 と ②相続後の出来事によって新たに生じた利益 は、区別して考えるべきだ、という原則を示したものと理解できます。

東京高裁と最高裁、判断の視点の違い(比較表)

論点東京高裁の考え方最高裁の考え方
債務免除益の性質相続によって潜在的に取得していた利益であり、実質的に相続財産と同じ相続“後”に条件が成就して初めて発生した利益であり、相続によって取得した財産とは言えない
所得税法9条(非課税規定)の適用適用される(=所得税は非課税)適用されない(=非課税の根拠にはならない)
結論納税者勝訴(課税処分を取り消し)高裁判決を破棄し、審理を東京高裁に差し戻し
「所得にあたるか」の判断実質的に相続財産と同じという前提で判断せず判断していない(差戻審で改めて審理)

相続税と所得税、そもそも「何にかかる税金」なのか

税目課税の対象になるもの課税のタイミング
相続税被相続人から相続人へ移転した、相続開始時点で評価できる財産の価値相続開始時
所得税(一時所得等)相続開始“後”に、相続人自身に新たに生じた経済的利益利益が発生した年分

この表のとおり、「相続税」は相続が開始した瞬間の財産の価値に着目するのに対し、「所得税」は相続開始後に新たに生まれた利益に着目します。今回の最高裁判決は、この2つの物差しを混同してはいけない、というメッセージだと理解すると分かりやすいでしょう。

【具体例】数字で見るシミュレーション

「一時所得として課税された場合、実際にどれくらいの税負担になるのか」を、数字でイメージしてみましょう。なお、今回のケースで最終的に課税されると決まったわけではない点は、繰り返しになりますが重要な前提です。

一時所得の基本的な計算のしくみ

一時所得の金額は、次の式で計算されます。

一時所得の金額 総収入金額 -(その収入を得るために支出した金額)- 特別控除額(最高50万円)

そして、実際に所得税の課税対象となるのは、この一時所得の金額の「2分の1」です。つまり、他の給与所得や事業所得などと合算される金額は、計算された一時所得の半分になります。

[画像:「総収入金額」から「支出した金額」と「特別控除50万円」を差し引いたあと、さらに2分の1にする、という一時所得の計算の流れを示すシンプルな数式フロー図(キャプション:一時所得は「まるまる課税」ではなく2分の1だけが課税対象)]

シミュレーション:もし本件が一時所得として課税された場合(参考)

項目金額(概算)
免除された債務(総収入金額)約9億7,370万円
特別控除額50万円
一時所得の金額約9億6,870万円
課税対象額(1/2後)約4億8,435万円

上記はあくまで「一時所得として課税された場合」の機械的な試算であり、実際にこの金額が課税対象になると確定したわけではありません。差戻審では、この利益がそもそも所得税法上の『所得』にあたるのかどうかから、改めて審理される予定です。

小規模なケースでの試算(一般の経営者・個人事業主向け)

多くの方にとって、9億円規模の事例は現実味が薄いかもしれません。そこで、より身近な金額でも試算してみましょう。

例:亡くなった父親の個人事業の借入金2,000万円を相続。金融機関との和解で「500万円を期限内に返済すれば、残り1,500万円を免除する」という条件があり、相続人が500万円を完済して1,500万円の免除を受けたケース。

項目金額
免除された債務(総収入金額)1,500万円
特別控除額50万円
一時所得の金額1,450万円
課税対象額(1/2後)725万円

この725万円が、その年の給与所得や事業所得など他の所得と合算され、超過累進税率(所得税5〜45%+住民税約10%)で税額が計算されることになります。免除額が1,500万円あっても、丸ごと725万円分にしか税金がかからない、という点も、あわせて押さえておきたいポイントです。

経営者・個人事業主が今、実務でおさえるべきポイント

今回の判決を受けて、「相続だから所得税はかからない」という主張は今後、以前よりも通りにくくなったと考えられます。一方で、課税庁が主張する一時所得としての課税が、そのまま確定したわけでもありません。

事業承継の場面で起こりうるケース

事業承継の過程では、先代経営者が金融機関や取引先に対して負っていた債務の一部が、事業承継後に免除されるケースが少なくありません。特に、次のようなケースでは注意が必要です。

  • 金融機関との間で「一定額を返済すれば残額を免除する」という和解・合意がすでに成立している
  • 事業再生の過程で、承継後にあらためて債権者と交渉し、債務の圧縮(免除)を受ける予定がある
  • 保証債務の整理にともない、承継後に保証履行や免除が発生する可能性がある

相続税申告の段階から確認しておきたいこと

今回の事件のように、相続税の申告時点ですでに「条件付きの債務免除」の合意が存在しているケースでは、相続税と所得税の両方を見据えた検討が欠かせません。具体的には、次のような点を確認しておくことをおすすめします。

  • 被相続人が生前に結んでいた和解・合意書に、免除の条件(停止条件)が付いていないか
  • 相続税の申告において、その債務が『確実と認められる債務』として債務控除の対象にできるか
  • 将来、免除が実現した場合に、所得税(一時所得等)の申告が必要になる可能性があるか

差戻審の行方を注視する必要性

今回の最高裁判決によって、この事件の結論が出たわけではありません。差戻審となる東京高裁では、『相続税で債務控除されなかった相続債務が、その後の免除によって生じた利益は、そもそも所得税法上の“所得”にあたるのか』という、より根本的な論点があらためて審理されます。

納税者側は「新たな財産を取得したわけではなく、相続時点の評価の問題にすぎない」と主張し、課税庁側は「巨額の債務が消滅したことで経済的利益が生じており、所得税の対象になる」と主張することが見込まれます。この先の判断は、相続実務・事業承継実務全体に影響を与える可能性があるため、今後の審理の行方を継続して確認していくことが重要です。

[画像:デスクで資料を確認しながら、税理士と経営者が「相続税」「所得税」の2つの書類を並べて相談している様子を描いたイラスト(キャプション:事業承継・相続では「相続税」だけでなく「その後の所得税」まで見据えた準備が必要)]

よくある質問(FAQ

◆ Q1.相続した借金が免除されたら、必ず所得税がかかりますか?

A.いいえ、必ずかかると決まったわけではありません。2026年6月の最高裁判決は、『相続だから非課税』という理屈が通用しないことを示しただけで、その利益が所得税法上の『所得』にあたるかどうかは、これから改めて裁判所で審理されます。個別の事情によって結論が変わり得るため、金額が大きい場合は早めに専門家へ相談することをおすすめします。

◆ Q2.相続税と所得税の両方がかかるなら、二重課税ではないのですか?

A.最高裁は、『相続によって取得した財産』と『相続後の出来事によって新たに生じた利益』は別のものとして扱うべきだ、という考え方を示しました。本件の債務免除益は相続開始後に条件が成就して初めて発生した利益であるため、相続税が課されていない経済的価値に所得税を課しても、同一の価値への二重課税にはあたらない、というのが最高裁の判断です。

◆ Q3.差し戻された裁判は、いつ結論が出ますか?

A.本記事の執筆時点では、差戻審の具体的な審理スケジュールや結論の時期は明らかになっていません。今後の東京高裁の判断が、実務上の取り扱いを左右する重要な分かれ目になりますので、続報を注視する必要があります。

◆ Q4.自分の相続でも似たような『条件付きの債務免除』の予定がある場合、どうすればいいですか?

A.まずは、生前に結ばれている和解書や合意書の内容(免除の条件、金額、履行状況)を正確に確認することが第一歩です。そのうえで、相続税の申告における債務控除の可否と、将来免除が実現した場合の所得税上の取り扱いの両方を、あわせて検討する必要があります。個別の契約内容によって判断が大きく変わるため、専門家に契約書を確認してもらうことを強くおすすめします。

◆ Q5.事業承継の過程で、先代の債務が免除される予定がある場合も同じ問題が起こりますか?

A.はい、起こり得ます。事業再生や金融機関との条件変更の中で、承継後に債務の一部が免除されるケースは珍しくありません。今回の判決の考え方を踏まえると、『相続財産に含まれていたはずだから非課税』という理屈だけでは通らない可能性が高くなっています。事業承継の計画段階から、税理士とともに債務免除の条件と税務上の取り扱いを整理しておくことが重要です。

まとめ

最後に、今回の記事のポイントを整理します。

  • 相続した借金が後日免除されると、その利益(債務免除益)に所得税が課されるかどうかが争われた裁判で、2026年6月23日に最高裁が判断を示した
  • 最高裁が示したのは『相続だから非課税』という理屈が通らないという点であり、『課税してよい』という結論まで出したわけではない
  • 『相続によって取得した財産』と『相続後に新たに生じた利益』は区別して考えるべき、というのが最高裁の基本的な考え方
  • 債務免除益がそもそも所得税法上の『所得』にあたるかどうかは、差戻審となる東京高裁で改めて審理される
  • 事業承継や相続の場面で条件付きの債務免除が絡む場合、相続税だけでなく、その後の所得税まで見据えた準備が欠かせない

今回のテーマは、判決文の細かなニュアンスや、契約書に定められた条件の内容によって、実際の取り扱いが大きく変わり得る、非常にデリケートな分野です。ニュースの見出しだけを見て『免除された借金には税金がかかる(あるいは、かからない)』と自己判断してしまうと、思わぬ形で追徴課税を受けたり、逆に必要な備えを怠ってしまったりするおそれがあります。

個別具体的なケースは判断が難しいため、当事務所へお気軽にご相談ください。

相続税の申告実務はもちろん、事業承継や税務調査への対応まで、経験豊富な専門家が状況を丁寧にお伺いしたうえで、最適な対応方針をご提案いたします。遠方にお住まいの方には、オンライン(ZOOM)でのご相談も承っておりますので、まずはお気軽にお問い合わせください。

こどもNISAは全員が使うべき?実は不要な家庭もあります【2027年1月開始】

2026-07-13

「2027年1月から新しい『こどもNISA』が始まるって聞いたけれど、うちも絶対にやったほうがいいの?」
「子どもの将来のための貯金代わりになるなら、とりあえず始めておけば安心?」

子育て中の方や、これから起業・独立を考えている個人事業主、中小企業の経営者の方から、今このようなご相談が非常に増えています。

結論から申し上げます。

新しく始まるこどもNISAは非常に強力でお得な制度ですが、「全員が全員、無理に使う必要はありません」。実は、家庭の状況やビジネスのフェーズによっては、「今は使わないほうが正解」というケースもはっきりと存在するのです。

この記事では、日本一親切な税理士が、専門用語を一切使わずに「中学生でも一読で完全に理解できる」ように徹底解説します!この記事を読めば、あなたの家庭にとって本当に必要かどうかがスッキリ分かり、大切なお金の守り方・増やし方の正解が手に入りますよ。

1. そもそも「2027年開始の新・こどもNISA」とは?仕組みを分かりやすく解説

新制度の仕組みを、身近な「お小遣い箱」の例えで説明しましょう。

通常、銀行にお金を預けたり、株や投資の応援をして「お小遣い(利益)」が増えたりすると、日本のルールではその増えた分の約20%(5円のうち1円)を税金として国に納めなければなりません。
しかし、国が用意した特別な「こども専用のお小遣い箱(新・こどもNISA口座)」の中でお金を運用すると、どれだけお小遣いが増えても、税金は1円も引かれません。丸々すべて子どもの将来のために使える、というのがこの制度の最大のメリットです。

[画像:通常口座と新・こどもNISA口座の税金の仕組み比較イラスト(キャプション:通常なら利益の約20%が税金で消えるが、新・こどもNISAなら増えた分がすべて手元に残る仕組み)]

2. 全員が使うべき?「やらなくていい家庭」の3つの特徴

「税金がかからないなら、絶対にやったほうがいいじゃない!」と思うかもしれません。しかし、以下のような3つの特徴に当てはまるご家庭は、今は無理をして始める必要はありません。

① 5年以内に使う予定があるお金(直近の教育費など)しかない場合

投資の基本は「長い時間をかけてじっくり育てること」です。リンゴの木を植えてすぐに実を食べようとしても育たないのと同じです。
例えば「3年後に高校の入学金として使う」といった決まっているお金をこの箱に入れてしまうと、世界中のお景気の波によっては、使う瞬間に一時的にお金が減ってしまうリスク(元本割れ)があります。直近で使うお金は、手堅く銀行の定期預金などで持っておくのが鉄則です。

② 事業の運転資金や「もしもの生活費」が十分に確保できていない場合

特に個人事業主や経営者の方に多い落とし穴です。ビジネスを動かすための手元資金や、家族が数ヶ月間安心して暮らせる生活費(生活防衛資金)を削ってまで、こどもNISAにお金を回すのは本末転倒です。
まずは自社のビジネスの土台を固め、会社のキャッシュフロー(現金の手残り)を最大化することのほうが、結果として子どもたちの将来を守ることに繋がります。

③ 投資の仕組みが不安で、夜も眠れなくなってしまう場合

お金の運用には必ず「価格の変動」があります。毎日「今日はお金が増えたかな?減ったかな?」とハラハラしてしまい、本業や子育てに集中できなくなってしまうのであれば、精神的な健康を損なってまでやる価値はありません。

【徹底比較】「やったほうがいい家庭」vs「やらなくていい家庭」

比較項目やったほうがいい家庭やらなくていい家庭(不要なケース)
手元の現金生活費や事業資金が半年〜1年以上分ある直近の生活費や事業の運転資金で手一杯
資金を使う時期10年〜15年以上先の遠い将来(大学費用など)2〜3年以内など、すぐ使う予定が決まっている
心の余裕一時的な値下がりも「最後には育つ」と待てる少しでも減ると不安で仕事や家事が手につかない

3. 「やったほうがいい家庭」の具体的なシミュレーション

逆に、「手元に十分なゆとりがあり、子どもの大学進学まで10年以上ある!」という場合は、新・こどもNISAを早く始めるほど大きな効果が期待できます。

具体的な数字でシミュレーションしてみましょう。

【事例】毎月3万円を15年間、じっくり積み立てた場合

銀行にお金を預けた場合の金利はほぼゼロですが、新・こどもNISAを活用し、世界中のたくさんの企業に応援(投資)する形で年4%で育てられたと仮定します。

【ステップ1:元本の準備】
毎月3万円 × 12ヶ月 × 15年間 = 合計540万円 をお小遣い箱にコツコツ入れます。

【ステップ2:時間の力で育つ】
15年後、お小遣い箱の中身は 約738万円 に膨らんでいます(プラス約198万円!)。

【ステップ3:税金ゼロの効果】
通常なら、増えた198万円に対して約40万円の税金が引かれますが、新・こどもNISAなら0円!738万円がまるごと大学の入学金や仕送りとして使えます。

[画像:毎月3万円積み立ての成長グラフ(キャプション:銀行預金との差額および節税効果を視覚的に表したシミュレーション図)]

4. よくある質問(FAQ)セクション

Q1. 途中で会社の業績が悪くなったり、お金が必要になったりしたら引き出せますか?

A1. はい、いつでも引き出して途中でやめることが可能です。かつての古い制度と違い、2027年開始の新制度では自由度が高くなっています。しかし、損をしているタイミングで引き出すのはもったいないため、やはり最初から「使わないで済む余剰資金」で行うのが大原則です。

Q2. 夫と妻のNISAと、こどもNISAはどう使い分ければいいですか?

A2. まずは親御さん自身のNISA枠を使い切ることを最優先にしてください。親の口座のほうが管理がしやすく、使い道の制限も柔軟だからです。親の枠を超えてさらに子どものために非課税で資産を残したい場合に、新・こどもNISAの活用を検討しましょう。

Q3. 税理士さんにこどもNISAの銘柄選びの相談はできますか?

A3. 具体的な「この株や投資信託を買いましょう」という投資助言・勧誘行為は、法律(金融商品取引法)によって専門の資格を持つ会社に限定されています。ただし、税務上の有利な組み合わせや、個人のライフプラン・事業のキャッシュフローに合わせた「いくらまでなら投資に回して経営上安全か」という資金計画のアドバイスは、当事務所が最も得意とする分野です。

5. まとめと最適な資金計画への第一歩

2027年1月からスタートする新・こどもNISAは、正しく使えば強力な味方になりますが、すべての家庭に強制されるものではありません。

重要なのは、「制度のお得さ」に振り回されるのではなく、
「今の自社の事業資金は健全か?」
「経営者としての将来の役員退職金や、家族の生活防衛資金とのバランスは取れているか?」
という、全体を見渡したトータルバランスの視点です。

「我が家の場合は、いくらまでなら新・こどもNISAに回しても経営上・生活上安全だろう?」
「事業の節税対策と子どもの教育費準備、どちらを優先すべきか分からない…」

少しでも迷われたら、ぜひ一度当事務所へお気軽にご相談ください。あなたのビジネスの財務状況とご家族のライフプランに徹底的に寄り添い、一番損をせず、一番安心できるオーダーメイドの資金戦略をプロの視点からご提案いたします!

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