最低賃金が上がる10月は給与見直しの分岐点

 違反リスクを防ぎ賃上げ促進税制で負担を軽くする経営者の実務ガイド

「また最低賃金が上がるらしいけれど、うちの給料はこのままで大丈夫だろうか」「正社員は月給だから関係ないはず」「人件費が増えるのは分かるが、少しでも負担を減らす方法はないのか」――毎年秋になると、こうしたご相談が一気に増えます。

最低賃金の引き上げは、パート・アルバイトの時給だけの話ではありません。月給制の正社員でも、計算してみると最低賃金を下回っていたというケースは、実務の現場で決して珍しくないのです。しかも、給料を上げれば社会保険料や従業員の「扶養」の問題にも波及します。

この記事では、税金と労務の両方を日々扱う専門家の立場から、①最低賃金チェックの正しいやり方、②賃上げが社会保険・扶養に与える影響、③賃上げ促進税制と助成金で実質負担を軽くする方法を、具体的な数字を使って分かりやすく解説します。

【この記事の結論】 ① 月給制でも「時給に換算」して必ずチェックする。手当の一部や残業代は計算に含めないため、思わぬ違反が起きやすいのが実務の実態です。 ② 賃上げは「社会保険料」と「扶養の壁」まで一緒に設計する。給料だけ上げて終わりにすると、会社負担の増加やパートの働き控えを招きます。 ③ どうせ上げるなら「賃上げ促進税制」と「業務改善助成金」を使う。条件を満たせば、増えた人件費の最大45%相当を法人税から差し引けます。助成金は「賃上げ前の申請」が鉄則です。

1. 最低賃金とは?まず押さえておきたい基本の仕組み

結論から言うと、最低賃金は「会社と従業員が合意していても、これより安い賃金は無効になる」という強制力のあるルールです。「本人が納得しているから大丈夫」は通用しません。

最低賃金とは

最低賃金とは、最低賃金法にもとづいて国が決める「1時間あたりの賃金の下限額」のことです。

家庭で例えるなら、「お手伝い1時間につき、お小遣いは最低〇〇円」と家のルールで決まっているようなものです。親子で「今回は半額でいいよ」と話し合っても、家のルールのほうが優先されます。最低賃金を下回る約束をした場合、その部分は無効となり、最低賃金額で約束したものとみなされます。

最低賃金には2種類ある

最低賃金には、都道府県ごとに決まる「地域別最低賃金」と、特定の産業に決まる「特定最低賃金(産業別最低賃金)」があります。両方が当てはまる場合は、高いほうの金額を支払わなければなりません。

項目地域別最低賃金特定最低賃金
対象その都道府県で働くすべての労働者(パート・アルバイト・学生アルバイト含む)特定の産業(一部の製造業など)で働く労働者
金額の水準基本となる金額地域別より高く設定されるのが一般的
違反した場合50万円以下の罰金(最低賃金法)30万円以下の罰金(労働基準法の賃金全額払い違反)
どちらを適用?両方が当てはまる場合は、高いほうの金額を適用 

毎年秋に改定される仕組み

最低賃金は、毎年夏に国の審議会で引き上げの目安が示され、各都道府県で金額が決まり、おおむね10月以降に都道府県ごとの発効日から新しい金額が適用されます。前年度(2025年度)の改定では全国加重平均が1,121円(前年度比66円増)となり、過去最大の引き上げ幅となりました。政府は「2020年代中に全国平均1,500円」という目標を掲げており、今後も大幅な引き上げが続く前提で経営計画を立てることが欠かせません。

なお、近年は都道府県によって発効日が大きく異なり、10月上旬の地域もあれば、翌年に発効する地域もあります。自社の事業所がある都道府県の「金額」と「発効日」の両方を、必ず確認してください。

[画像指示:日本地図上に都道府県ごとの最低賃金と発効日を色分けで示した図解イラスト / キャプション:最低賃金は都道府県ごとに金額も発効日も異なります]
【ここが落とし穴】 最低賃金は「会社の本社所在地」ではなく「従業員が実際に働く事業所の所在地」で決まります。本社が地方、支店が都市部にある会社では、支店のパートだけ基準が高くなるため、全社一律の時給表を使っていると違反が起きやすくなります。

2. 月給制でも油断禁物 最低賃金チェックの正しい計算方法

結論として、月給制の従業員も「月給 ÷ 1か月の平均所定労働時間」で時給に換算し、最低賃金と比べる必要があります。しかも、月給の全額を計算に入れてよいわけではない点が最大の落とし穴です。

計算に「含める賃金」と「含めない賃金」

最低賃金の計算に使うのは、毎月決まって支払われる基本的な賃金だけです。リンゴ農家で例えるなら、「毎月の基本の手間賃」は数えますが、「たまたま多く収穫できた月のボーナス」や「遠くの畑まで通う交通費」は数えない、というイメージです。

区分具体例最低賃金の計算
含める賃金基本給、職務手当、役職手当、資格手当など毎月決まって支払う手当含める
含めない賃金①時間外・休日・深夜の割増賃金(固定残業代を含む)含めない
含めない賃金②通勤手当、家族手当、精皆勤手当含めない
含めない賃金③賞与など1か月を超える期間ごとに支払う賃金含めない
含めない賃金④結婚手当など臨時に支払う賃金含めない

最低賃金チェックの5ステップ

月給制の従業員の最低賃金チェック手順

STEP 1 年間の所定労働日数を出す 365日(うるう年は366日)から年間休日数を引きます。

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STEP 2 1か月の平均所定労働時間を出す 「年間所定労働日数 × 1日の所定労働時間 ÷ 12か月」で計算します。

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STEP 3 計算に含める賃金を集計する 基本給+毎月決まった手当だけを合計し、残業代・通勤手当・家族手当・精皆勤手当は除きます。

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STEP 4 時給に換算する 「含める賃金の合計 ÷ 1か月の平均所定労働時間」で時給を出します。

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STEP 5 最低賃金と比べる 事業所の都道府県の最低賃金(特定最低賃金があれば高いほう)以上かを確認します。発効日以降の給与から適用します。

■ 計算例:月給18万円の正社員は大丈夫?

年間休日105日、1日8時間勤務、月給18万円(基本給16万円+職務手当2万円)、別に通勤手当1万円を支給している正社員で計算してみます。仮に、この地域の最低賃金を1,100円とします。

計算項目計算式結果
年間所定労働日数365日 − 105日260日
1か月の平均所定労働時間260日 × 8時間 ÷ 12か月約173.3時間
計算に含める賃金基本給16万円 + 職務手当2万円(通勤手当は除く)180,000円
時給換算額180,000円 ÷ 173.3時間約1,038円
判定(最低賃金1,100円の場合)1,038円 < 1,100円違反(月約1.1万円不足)

このように、「月給18万円あるから大丈夫」と思っていても、休日が少なく労働時間が長い会社ほど、時給に直すと最低賃金を下回ります。年間休日を増やすと1か月の労働時間が減るため、同じ月給でも時給換算額は上がります。賃上げだけでなく、休日数の見直しも対策の選択肢になるのです。

実務でよくある3つの罠

■ 罠① 固定残業代込みの月給

「月給25万円(固定残業代5万円を含む)」のような給与体系では、最低賃金の計算に使えるのは残業代を除いた20万円だけです。求人票の総額だけを見て安心するのは危険です。

■ 罠② 試用期間中の減額

試用期間中だからといって、最低賃金を下回る賃金を払うことはできません。減額の特例は、都道府県労働局長の許可を受けた場合に限られ、減額できる率にも上限があります。許可なく「試用期間は時給900円」とすることは違反です。

■ 罠③ 発効日をまたぐ給与計算期間

たとえば「20日締め・25日払い」の会社で発効日が10月上旬の場合、9月21日〜10月20日の給与計算期間のうち、発効日以降に働いた分から新しい最低賃金が適用されます。「11月分から切り替えればいい」と考えていると、1か月弱の未払いが発生します。

【税理士×社労士の実務視点】 最低賃金の不足は、労働基準監督署の調査で指摘されると、原則としてさかのぼって差額を支払う必要があります。未払いの賃金は過去分(現在は3年)まで請求される可能性があり、人数が多い会社ほど金額が膨らみます。 また、差額を支払えば給与が増え、その分の社会保険料や源泉所得税の計算もやり直しになります。労務の問題が、そのまま税務・社会保険の修正作業に連鎖するのが最低賃金違反の怖さです。給与計算を担う社労士と、決算・税務を担う税理士が同じ情報を共有していれば、この連鎖を未然に防げます。

3. 賃上げが社会保険と「扶養の壁」に与える影響

結論として、賃上げをするときは「会社の社会保険料負担の増加」と「パートの働き控え」の2点をセットで考える必要があります。ここは税金の知識だけでは見落としやすい、労務ならではのポイントです。

標準報酬月額と随時改定(月額変更届)

標準報酬月額とは、社会保険料を計算するために、毎月の給与をいくつかの段階(等級)に当てはめた金額のことです。

基本給や手当など「固定的な賃金」が変わり、その後3か月の平均で標準報酬月額が2等級以上変わった場合は、「随時改定」として年の途中でも保険料が変わります。このとき会社は「月額変更届」を提出しなければなりません。10月の賃上げであれば、10月・11月・12月の3か月の給与で判定し、該当すれば翌年1月分から保険料が変わります。

社会保険料は会社と従業員が折半で負担するため、給与を1万円上げると、会社負担もおおむね1,500円前後増えると考えておきましょう(加入する健康保険や年齢によって率は異なります)。

パートの「年収の壁」と就業調整

時給が上がると、同じ時間働くだけで年収が増え、「扶養から外れたくない」パートの方が勤務時間を減らしてしまうことがあります。これを就業調整といいます。主な壁を整理すると、次のとおりです。

壁中身影響最近の動き
106万円の壁一定の会社で週20時間以上などの条件を満たすと、本人が社会保険に加入社会保険料の本人負担が発生月額8.8万円の賃金要件は撤廃の方向
130万円の壁家族の社会保険の扶養から外れ、自分で国民健康保険・国民年金などに加入保険料の負担が大きく、手取りが減りやすい一時的な収入増は事業主の証明で扶養継続できる仕組みあり
所得税の壁本人に所得税がかかり始めるライン所得税の負担が発生税制改正で103万円から160万円へ引き上げ
[画像指示:時給アップによって年収が各「壁」に近づき、勤務時間を減らしてしまう流れを示した図解イラスト / キャプション:時給が上がると、同じ時間でも年収の壁に近づきます]
【税理士×社労士の実務視点】 人手不足の時代に、時給を上げた結果シフトに入れる時間が減ってしまっては本末転倒です。賃上げの前に、パートの方一人ひとりについて「今の働き方で年収がいくらになるか」「壁を越えた場合の手取りはどう変わるか」を試算し、本人と話し合っておくことをおすすめします。 所得税の壁は大きく緩和されましたが、社会保険の壁は別のルールで動いています。税金と社会保険の両方の壁を一枚の表で説明できるかどうかが、従業員の安心感と定着率を左右します。

4. 賃上げの負担を軽くする「税制」と「助成金」

結論として、中小企業が使える代表的な支援策は「賃上げ促進税制」と「業務改善助成金」の2つです。前者は「上げた後」に法人税を減らす制度、後者は「上げる前」に申請して設備投資費用などの助成を受ける制度で、タイミングがまったく異なります。

賃上げ促進税制とは

賃上げ促進税制とは、従業員の給与総額を前の年より一定以上増やした会社が、増えた金額の一定割合を法人税(個人事業主は所得税)から直接差し引ける制度のことです。

「経費になる」だけの制度とは違い、税金そのものから差し引ける(税額控除)のが大きな特徴です。お小遣い帳で例えるなら、「使ったお金を記録できる」だけでなく、「使った分の一部をおうちの人が後から返してくれる」ようなイメージです。

■ 中小企業向けの主な要件と控除率

要件内容控除率
基本要件雇用者給与等支給額(従業員の給与総額)が前年度比1.5%以上増加増加額の15%
上乗せ要件雇用者給与等支給額が前年度比2.5%以上増加増加額の30%
教育訓練費の上乗せ教育訓練費が前年度比5%以上増加し、給与総額の0.05%以上+10%
子育て・女性活躍の上乗せ「くるみん」または「えるぼし(2段階目以上)」の認定を取得+5%
最大控除率上記をすべて満たした場合最大45%
控除の上限その年度の法人税額の20%まで—
繰越控除控除しきれなかった金額は最長5年間繰り越し可能(繰越先の年度でも給与総額の増加が必要)—

対象となるのは青色申告をしている中小企業者等で、給与総額には役員やその親族などに支払う給与は含まれません。社長の役員報酬を増やしても、この制度の計算には入らない点に注意しましょう。

業務改善助成金とは

業務改善助成金とは、事業場内で最も低い賃金(事業場内最低賃金)を一定額以上引き上げ、あわせて生産性を上げる設備投資などを行った中小企業に、その費用の一部を国が助成する制度のことです。

たとえば、飲食店が時給を引き上げると同時に、券売機や食器洗浄機を導入して作業時間を短くする、といった使い方が典型例です。助成額や対象となる条件は年度ごとに見直されるため、申請前に最新の要件を確認することが欠かせません。

2つの制度の比較

比較項目賃上げ促進税制業務改善助成金
仕組み法人税(所得税)から差し引く国から現金が支給される
手続きのタイミング賃上げ後、決算の申告時賃上げ前に交付申請が必要
赤字の会社その年は効果なし(5年間繰り越し可能)赤字でも利用可能
設備投資不要必要(生産性向上につながるもの)
主な担当専門家税理士社労士(労務・賃金台帳の整備)
併用同じ賃上げで併用できる場合がある(控除額の計算に調整が入ることがある) 
【ここが落とし穴】 業務改善助成金は、交付決定を受ける前に賃金を引き上げたり、設備を発注したりすると対象外になるのが原則です。「最低賃金が上がったから時給を上げた。後で助成金を申請しよう」では間に合いません。 賃上げ促進税制も、給与総額の計算を誤ると、せっかくの控除が受けられないうえ、税務調査で否認されるリスクがあります。前年度と当年度の給与総額を、同じ基準で正確に集計しておくことが重要です。

5. シミュレーション:従業員10名の会社が賃上げした場合

結論として、次のケースでは増えた人件費約97万円のうち、税額控除と経費算入による法人税等の減少で約58万円が戻り、実質負担は約39万円まで圧縮できます。具体的な数字で見てみましょう。

前提条件

項目内容
会社地方で飲食店と惣菜販売を営む株式会社(青色申告・中小企業者)
従業員正社員4名、パート6名(全員社会保険に加入していると仮定)
前年度の給与総額3,000万円(役員報酬は除く)
賃上げの内容パート時給を1,050円→1,110円(+60円・年1,000時間勤務)/正社員の月給を1人1万円アップ
教育訓練外部研修の受講費を前年度より増やし、教育訓練費の上乗せ要件を満たすと仮定
法人税額賃上げ前の見込みで年250万円(控除上限は20%の50万円)

試算結果

項目計算式金額
パートの給与増加額60円 × 1,000時間 × 6名36万円
正社員の給与増加額1万円 × 12か月 × 4名48万円
給与総額の増加額(増加率)36万円 + 48万円(3,084万円 ÷ 3,000万円 = 2.8%増)84万円
会社負担の社会保険料増加84万円 × 約15%約12.6万円
人件費の増加合計(A)84万円 + 12.6万円約96.6万円
賃上げ促進税制の控除額(B)84万円 × 40%(2.5%以上:30%+教育訓練:10%)約33.6万円
経費算入による法人税等の減少(C)96.6万円 × 実効税率約25%(概算)約24.2万円
実質的な負担額(A)−(B)−(C)約38.8万円
[画像指示:人件費増加額96.6万円が、税額控除33.6万円・法人税等の減少24.2万円・実質負担38.8万円に分かれる積み上げ棒グラフ / キャプション:制度を使うと、賃上げの実質負担は約4割まで下がります]

シミュレーションから分かること

  • 制度を使わなければ約72万円(96.6万円−24.2万円)の負担だったものが、賃上げ促進税制によってさらに33.6万円軽くなります。
  • 給与の増加率が2.5%に届くかどうかで、控除率が15%か30%かに分かれます。このケースで増加率が2.4%だった場合、控除額はほぼ半分になるため、「あと少しで2.5%」の場合は昇給額の上乗せを検討する価値があります。
  • 設備投資を伴う場合は、業務改善助成金を賃上げ前に申請することで、さらに負担を減らせる可能性があります。
【税理士×社労士の実務視点】 賃上げの金額は、決算直前ではなく期首のうちに年間の給与総額の着地を見込んで決めるのが理想です。巡回監査で毎月の給与台帳と試算表を確認していれば、「このままだと増加率は2.3%なので、冬の賞与を少し上乗せすれば2.5%に届く」といった判断を、決算前に余裕をもって行えます。 ※上記は制度の仕組みを理解していただくための概算です。社会保険料率、実効税率、控除の可否は会社ごとの条件で異なります。

6. よくある質問(FAQ)

Q. 最低賃金を下回っていることに気づいたら、どうすればよいですか?

A. 直ちに賃金を引き上げ、発効日以降の不足分を計算して差額を支払ってください。地域別最低賃金を下回った場合は最低賃金法により50万円以下の罰金の対象となります。自主的に早く是正することが、労働基準監督署の調査リスクや従業員との信頼関係の面でも最善策です。

Q. 赤字の会社でも賃上げ促進税制は使えますか?

A. 赤字で法人税がかからない年は、その年に控除を受けることはできません。ただし、中小企業者等は控除しきれなかった金額を最長5年間繰り越せます。繰り越した年度に黒字となり、かつ給与総額が前年度より増えていれば控除を受けられるため、赤字の年でも要件を満たしているかを申告書に記録しておくことが大切です。

Q. 社長や家族役員の報酬を上げた場合も、賃上げ促進税制の対象になりますか?

A. 対象になりません。賃上げ促進税制の給与総額には、役員や役員の親族など特殊な関係にある人への給与は含まれません。あくまで一般の従業員に支払う給与が対象です。

Q. パートの方に「扶養の範囲内で働きたいので時給は上げないで」と言われました。

A. 最低賃金を下回る時給にすることは、本人の希望があってもできません。この場合は時給を上げたうえで、年間の勤務時間を調整することになります。あわせて、社会保険の扶養(130万円)は一時的な収入増なら事業主の証明で扶養を続けられる仕組みがあることや、所得税の壁は160万円まで引き上げられたことを説明すると、働き方の選択肢が広がります。

Q. 最低賃金の改定に向けて、会社は何をいつまでにすればよいですか?

A. 発効日より前に、次の3つを済ませておくのが実務上の結論です。①全従業員の時給換算額を一覧にして最低賃金との差を確認する、②給与計算ソフトの時給・月給の設定を変更する、③賃上げ額が決まったら賃金規程や雇用契約書(労働条件通知書)を更新する。設備投資を伴う場合は、業務改善助成金の申請をこれより前に行ってください。

7. まとめ:賃上げは「守り」と「攻め」を同時に考える

【3行でわかるこの記事のポイント】 1. 月給制の社員も、残業代・通勤手当などを除いて時給に換算し、事業所ごとの最低賃金と必ず比べる。 2. 賃上げは社会保険料の増加とパートの「扶養の壁」までセットで設計し、働き控えを防ぐ。 3. 賃上げ促進税制(最大45%の税額控除)と業務改善助成金(賃上げ前に申請)で実質負担を軽くする。

最低賃金の引き上げは、毎年必ずやってくる「避けられない経営課題」です。しかし、正しい計算で違反リスクを防ぎ、税制や助成金を上手に組み合わせれば、賃上げを「単なるコスト増」から「人材確保と会社の成長への投資」に変えることができます。

当事務所では、税理士と社会保険労務士が同じチームで連携し、最低賃金のチェックから給与体系の見直し、社会保険手続き、賃上げ促進税制の適用判断、決算・申告までを一貫してサポートしています。国税の現場を知り尽くした元国税職員も在籍しており、税務調査で指摘されない正確な集計・書類づくりにも万全の体制で臨みます。毎月の巡回監査を通じて、決算を待たずに「今年の賃上げをどう着地させるか」を一緒に考えられるのも私たちの強みです。

【ご相談はお気軽に】 税務の判断は個々の状況によって異なります。自己判断で損をする前に、お気軽に当事務所へご相談ください。 「うちの給与は最低賃金を満たしているか確認してほしい」「賃上げ促進税制が使えるか知りたい」――そんな一言からで大丈夫です。オンラインでのご相談にも対応しています。

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