【保存版・完全解説】

6月に届く「年金振込通知書」で

確認すべきこと完全ガイド

〜2026年度版・在職老齢年金の大改正にも対応〜

公開日:2026年6月 最終更新:2026年6月

【この記事でわかること】 ① 年金振込通知書の読み方と各項目の意味 ② 2026年度の年金額がどう変わったか(老齢基礎年金:月7万608円) ③ 在職老齢年金の大改正(月51万円→65万円)による影響 ④ 年金が思ったより少ないときの原因チェックリスト ⑤ 「ねんきんネット」の活用方法と問い合わせ窓口

毎年6月、「年金振込通知書」というハガキが届きます。「どうせ確認しなくていいや」と引き出しにしまい込んでいませんか? 実は、この1枚に老後の家計を左右する重要な情報が詰まっています。

特に2026年は、①年金額が4年連続プラス改定、②在職老齢年金の基準額が大幅引き上げ(月51万円→65万円)と、例年以上に確認すべき変化があります。

本記事では、中学生にもわかるよう、年金振込通知書の見方から2026年の最新制度変更まで、すべてわかりやすく解説します。

このページの目次

1. 年金振込通知書とは? なぜ6月に届くの?

年金振込通知書は、公的年金(老齢年金など)を銀行口座への振り込みで受け取っている方に、日本年金機構から毎年6月に送られてくる公式書類です。

年金は「2カ月後払い」が基本

公的年金は、偶数月の15日(土日祝の場合は直前の平日)に、前月と前々月の2カ月分がまとめて振り込まれます。

支払対象月振込日(偶数月15日)備考
4月分 + 5月分6月15日新年度最初の振込
6月分 + 7月分8月15日 
8月分 + 9月分10月15日 
10月分 + 11月分12月15日 
12月分 + 1月分2月15日 
2月分 + 3月分4月15日 

6月に届く通知書が特に重要な理由は3つあります。

  • 新年度(4月分)からの年金額が初めて反映される
  • 毎年4月に行われる「年金額の改定」結果が確認できる
  • 在職老齢年金など、制度変更の影響が最初に現れる
【ポイント】 年金は「申請主義」です。受け取り開始後も、通知書を確認して自分で変化を把握する意識が大切です。

2. 年金振込通知書の見方(各項目を中学生でもわかるように解説)

年金振込通知書には、大きく分けて以下の項目が記載されています。給与明細と似たような構造です。

項目名意味・ポイント確認すべきこと
振込先年金が入る金融機関・支店名・口座番号間違った口座を見ていないか確認
年金支払額(2カ月分)税金・保険料を引く前の額面金額昨年と比べて増えているか?
介護保険料額65歳以上は年金から天引きされる住んでいる市区町村の保険料率が反映
所得税・復興特別所得税年金にも所得税がかかる扶養親族申告書の提出漏れがないか
個人住民税額前年の年金収入に基づき計算市区町村が決定する
控除後振込額実際に口座に入る金額通帳の入金額と一致するか確認

給与明細と年金振込通知書の対応関係

年金振込通知書は、会社員が受け取る「給与明細」とよく似た構造です。次のように対応しています。

給与明細の項目年金振込通知書の対応項目
額面金額(総支給額)年金支払額(税引き前の2カ月分合計)
社会保険料(健康保険・厚生年金など)介護保険料額(65歳以上のみ)
所得税所得税額および復興特別所得税額
住民税個人住民税額
手取り金額(差引支給額)控除後振込額(実際に口座に入る金額)
【豆知識】 年金振込通知書は、収入を証明する書類としても使えます。住宅ローンの審査や賃貸契約の際に提出を求められることもあるため、1年間は大切に保管しましょう。

3. 2026年度の年金額はいくら? 改定の仕組みをわかりやすく解説

年金額は毎年4月に見直される

公的年金の額は、毎年4月分から見直されます。その年の「物価」や「賃金」の変動に合わせて増減します。

改定のルール(シンプルに説明)

  • すでに年金をもらっている人 → 主に「物価の変動」に合わせて改定(物価スライド)
  • まだ年金をもらっていない現役世代 → 主に「賃金の変動」に合わせて改定(賃金スライド)
  • ただし「賃金上昇 < 物価上昇」の年は、どちらの年齢でも賃金変動で改定

マクロ経済スライドとは?

「マクロ経済スライド」とは、年金制度を長続きさせるための調整の仕組みです。少子高齢化で現役世代が減る分、年金給付の水準を少し抑えます。

指標2026年度の数値
名目手取り賃金変動率+2.1%
物価変動率+3.2%
マクロ経済スライド調整率-0.2%
最終的な改定率(賃金変動率 – 調整率)+1.9%

今年は「賃金変動率(+2.1%)が物価変動率(+3.2%)を下回った」ため、全年齢で賃金変動率をベースに改定。マクロ経済スライド(▲0.2%)を差し引いた「+1.9%」の改定となりました。

年金の種類2025年度2026年度増減
老齢基礎年金(満額・1956年4月2日以降生まれ)月 6万9,308円月 7万608円+1,300円
老齢基礎年金(満額・1956年4月1日以前生まれ)月 6万9,108円月 7万408円+1,300円
老齢基礎年金(年額・1956年4月2日以降生まれ)年 83万1,696円年 84万7,296円+15,600円
【重要】 2026年度は老齢基礎年金が月7万円の大台を突破しました! 届いた通知書で、新しい金額になっているか必ず確認してください。

4. 年金額改定通知書とは? セットで届く理由

毎年の年金額改定があった場合、「年金振込通知書」と「年金額改定通知書」の2つがセットで届くことがあります(または一体型として1枚で届く場合も)。

書類名内容・役割
年金振込通知書振込先・2カ月分の支払額・差し引き項目が記載。実際の振込内容の明細。
年金額改定通知書新年度(4月分)からの年金額(月額)が記載。変更点がわかる。
一体型(両方合体)2つの情報が1枚に記載されているケース。多くの場合これが届く。

「ねんきんネット」でいつでも確認できる

日本年金機構の「ねんきんネット」に登録すると、年金振込通知書や年金額改定通知書の内容をインターネット上でいつでも確認できます。

  • 2026年6月4日(木)から:2026年4月分からの年金額改定通知書・年金振込通知書が閲覧可能
  • PDFで保存・印刷も可能
  • 在職中で5月分以降が支給停止となる方は2026年5月8日(月)から確認可能
【使い方】 「ねんきんネット」はスマートフォンからも利用可能。マイナンバーカードがあれば簡単に登録できます。年金額の確認・ねんきん定期便の閲覧・将来の年金見込み額の試算など、多くの機能が無料で使えます。

5.【2026年4月 大改正】在職老齢年金をわかりやすく解説

在職老齢年金とは? まず基本を理解しよう

「在職老齢年金」とは、65歳以降も会社などに勤めながら年金を受け取る場合、給与と年金の合計が一定額を超えると年金が減額(または停止)される制度です。

【例えで理解】 「会社からお給料をたくさんもらっている人は、年金を全額もらわなくても生活できるでしょう」という考え方から生まれた制度です。ただし、制度が厳しすぎて「年金が減るなら働きたくない」というシニアが増えてしまいました。そこで2026年に大改革が行われました。

2026年4月からの大改正:月51万円→月65万円へ

 旧基準(〜2025年度)新基準(2026年4月〜)
調整が始まる上限額月51万円月65万円
変更幅+14万円(大幅アップ!)
適用開始2026年6月の振込分から

計算の仕組みをわかりやすく(2026年度版)

調整される条件

【基本月額(加給年金を除く老齢厚生年金の月額)】+【総報酬月額相当額(月給+直近1年のボーナスの月割)】が月65万円を超えた場合

カット額の計算式

カット額 =(基本月額 + 総報酬月額相当額 − 65万円)÷ 2

【具体的な計算例】 【例】年金(基本月額):12万円、月給(総報酬月額相当額):55万円  合計:12万円 + 55万円 = 67万円 → 65万円を2万円超過 カット額:2万円 ÷ 2 = 1万円 実際にもらえる年金:12万円 − 1万円 = 11万円  【旧基準(51万円)との比較】 合計67万円 – 51万円 = 16万円超過 → カット:8万円 → 年金:4万円 ※新基準で毎月7万円多くもらえる!年間84万円の差に。

在職老齢年金は「老齢厚生年金だけ」が対象

大切なポイントとして、在職老齢年金による減額の対象は「老齢厚生年金」だけです。「老齢基礎年金(国民年金部分)」は働いていても減らされません。

年金の種類在職老齢年金の影響
老齢厚生年金(会社員・公務員時代の年金)収入によっては減額される
老齢基礎年金(国民年金部分)働いても減額なし(全額もらえる)

6. 在職定時改定で「働くほど年金が増える」しくみ

2022年4月から始まった「在職定時改定」という制度があります。これは、65歳以上で在職中の方の年金額を、毎年9月1日に自動的に見直す制度です。

時期内容
9月1日(毎年)8月以前の厚生年金加入期間をもとに年金額を改定
10月分から増えた年金が振り込まれる(10月15日)
退職時退職後に退職時改定として再度増額

つまり、65歳以降も働き続けることで:

  • 毎年9月に年金額が少しずつアップ
  • 在職老齢年金で一部カットされても、退職後には増えた年金が全額もらえる
  • 長く働けば働くほど、老後の年金が増える
【まとめ】 「年金が減る」という部分だけ見ると損に見えますが、給与収入+年金のトータルで考えると、働き続けることは必ずプラスです。在職定時改定もあるので、定年後も元気に働くことが最善の老後設計です。

7. 在職老齢年金が「適用されない」働き方とは?

在職老齢年金は、「厚生年金に加入している勤務先で働く人」が対象です。次のような働き方の場合は、年金が減額されません。

働き方厚生年金在職老齢年金の影響
5人未満の個人事務所(任意加入なし)加入しない影響なし
短時間パート・アルバイト(要件未満)加入しない影響なし
自営業(個人事業主)加入しない影響なし
不動産収入のみ加入しない影響なし
正社員・要件を満たすパート加入する影響あり(減額対象)

パート・アルバイトが厚生年金に加入する条件(2026年現在)

  • 1週間の所定労働時間が20時間以上
  • 所定内賃金が月額8.8万円以上(いわゆる「106万円の壁」に相当)
  • 2か月を超える雇用の見込みがある
  • 学生ではない
  • 従業員数51人以上の企業で働いている
【注意】 パートの厚生年金加入要件は今後さらに拡大される見通しです。「106万円の壁」と「51人以上要件」の撤廃が検討されており、働き方の変化に注意が必要です。

8. 年金が思ったより少ない! 原因チェックリスト

「通帳を見たら、思っていたより少なかった…」。そんなときに確認すべき原因を整理しました。

考えられる原因内容確認・対処方法
在職老齢年金の適用給与+年金が月65万円超で減額年金事務所に確認。退職すれば全額もらえる。
配偶者が65歳になった加給年金(配偶者手当)がなくなる配偶者が65歳になると加給年金は終了
繰り上げ受給をした1カ月繰り上げごとに0.4%減額(永久)60歳受給だと最大24%の永久減額
扶養親族申告書の未提出所得税が多く引かれすぎる確定申告で取り戻せる
年金額の引き下げ改定物価・賃金変動で年金が下がる年もある通知書で前年と比較確認
介護保険料の増額市区町村の保険料改定市区町村に問い合わせ

9. 加給年金とは? 配偶者が65歳になると起こること

「加給年金」は、厚生年金を受け取る方に「生計を維持されている配偶者」がいる場合に加算される年金です。いわば「年金の家族手当」です。

加給年金が終わる条件

  • 配偶者が65歳になり、自分の老齢基礎年金を受け取り始めたとき
  • 配偶者が離婚・死亡したとき
  • 配偶者の年収が850万円以上になったとき

加給年金が終了すると、その分年金振込通知書の金額が減ります。「急に減った!」と慌てる前に、配偶者の年齢を確認してみましょう。

10. 年金の繰り上げ受給・繰り下げ受給と金額への影響

受給方法開始時期増減率(1カ月あたり)最大変化
繰り上げ受給60〜64歳−0.4%(1962年4月2日以降生まれ)最大−24%
通常受給65歳変化なし基準
繰り下げ受給66〜75歳+0.7%最大+84%
【注意】 繰り上げ受給の減額は「生涯続く」永久減額です。早くもらえる分、一生涯にわたって金額が少なくなります。「損益分岐点(元が取れる年齢)」を計算してから判断することが重要です。

11. 疑問があったときの相談窓口一覧

相談内容窓口
年金額全般・在職老齢年金最寄りの年金事務所 または 年金相談センター
所得税の疑問所轄の税務署
住民税・介護保険料・国民健康保険市区町村役場(住民税担当・介護保険担当)
後期高齢者医療保険都道府県の広域連合
年金受給全般・将来の見込み額ねんきんネット(https://www.nenkin.go.jp/n_net/)

まとめ:2026年6月の年金振込通知書でチェックすること

【2026年6月の通知書で必ず確認する5つのポイント】 ① 振込先の口座が正しいか ② 年金支払額が2026年度の新金額になっているか(老齢基礎年金満額:月7万608円 = 2カ月で14万1,216円) ③ 在職老齢年金が適用されている場合、新基準(月65万円)で計算されているか ④ 控除後振込額と通帳の実際の入金額が一致しているか ⑤ 昨年と比べて不自然な減額がないか(加給年金終了・繰り上げ減額など)

公的年金は、老後の大切な収入源です。「自動的に振り込まれるから大丈夫」と思わず、毎年6月に届く通知書をしっかり確認する習慣をつけましょう。

もし金額に疑問があれば、年金事務所や税務署、市区町村役場に遠慮なく相談してください。また、「ねんきんネット」を活用して日頃から自分の年金情報をチェックしておくと安心です。

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