2026年度(令和8年度)の税制改正では、基礎控除の引き上げや給与所得控除の拡大など、会社員・パート・個人事業主に大きく影響する変更が行われました。この記事では、中学生でも理解できるように、わかりやすく解説します。
このページの目次
1. 源泉所得税とは?
源泉所得税とは、会社が給料を支払うときに、あらかじめ所得税を差し引いて国へ納める制度です。
例えば月給30万円の場合、会社は税金を差し引いた金額を従業員へ支払います。これにより、国は安定して税金を集めることができます。
源泉徴収義務者とは、会社や個人事業主など、給与を支払う側のことをいいます。
2. 2026年度税制改正の最大ポイント
今回の改正で最も注目されているのは、基礎控除と給与所得控除の引き上げです。
背景には物価上昇があります。食費や電気代などが高騰したため、税負担を軽くする目的で改正が行われました。
特に低所得者や子育て世帯にはプラスになる内容が多く含まれています。
3. 基礎控除の引き上げ
基礎控除とは、誰でも受けられる所得控除です。
2026年・2027年は、所得132万円以下の人の基礎控除が104万円へ引き上げられます。
これにより、税金がかかる所得が減るため、手取り額が増える効果があります。
例)
年収180万円の人の場合
・改正前:課税所得が大きく残る
・改正後:課税所得が減少
→ 所得税が軽減される
つまり、「生活費に回せるお金」が増えるイメージです。
4. 給与所得控除の引き上げ
給与所得控除とは、会社員の必要経費のようなものです。
2026年から最低保障額が65万円から74万円へ拡大されます。
年収190万円以下の人は特に恩恵が大きく、税金が減る可能性があります。
パートやアルバイトの人にも影響が大きい改正です。
5. 扶養の壁はどう変わる?
扶養親族の所得要件も緩和されました。
これまで「年収123万円まで」とされていた基準が、2026年からは136万円まで拡大されます。
つまり、パート勤務の配偶者や学生アルバイトが、以前より多く働いても扶養から外れにくくなります。
ただし、社会保険の壁とは別問題です。
税金上の扶養と社会保険上の扶養は異なるため、注意が必要です。
6. 年末調整の注意点
2026年の税制改正は、毎月の給与計算へすぐ反映されるわけではありません。
2026年1月〜11月までは旧税額表で計算されます。
実際の調整は12月の年末調整で行われます。
そのため、12月に税金が還付される人も多くなる可能性があります。
7. 通勤手当の非課税枠拡大
長距離通勤者への負担軽減として、非課税限度額が大きく拡大されました。
特に片道95km以上の通勤者では、最大66,400円まで非課税になります。
また、駐車場代についても最大5,000円が追加で非課税となります。
地方在住者にとっては大きなメリットです。
8. 食事補助の改正
企業の福利厚生として支給される食事補助も見直されました。
非課税枠は月3,500円から7,500円へ増額。
深夜勤務の夜食代も300円から650円へ引き上げられています。
物価高騰に対応した改正といえるでしょう。
9. 退職金課税の見直し
退職所得課税についても改正があります。
確定拠出年金と退職金を受け取る際の控除ルールが見直されました。
また、退職所得の源泉徴収票は、金額に関係なく税務署提出が義務化されます。
企業の事務負担は増える可能性があります。
10. 子育て世帯への優遇
23歳未満の扶養親族がいる場合、生命保険料控除の上限が4万円から6万円へ拡大されます。
教育費や生活費の負担が重い世帯にとって、税負担軽減につながります。
11. 2027年以降の変更点
2027年からは防衛特別所得税が創設されます。
一方で復興特別所得税は税率が下がります。
合計税率は変わらないため、実務上の大きな混乱は少ないと考えられます。
また、NISAの年齢制限が撤廃され、0歳からつみたて投資枠が利用可能になります。
12. まとめ
2026年度税制改正は、物価高対策として家計支援色の強い内容となりました。
特に重要なのは以下の5点です。
・基礎控除の引き上げ
・給与所得控除の拡大
・扶養の壁の緩和
・通勤手当の非課税枠拡大
・食事補助の非課税枠拡大
会社員、パート、個人事業主、企業経営者のすべてに関係する改正です。
特に年末調整や給与計算の実務には注意が必要です。
今後は物価指数に応じて控除額が見直される仕組みも導入予定であり、税制はより柔軟に変化していくでしょう
