60歳以上が絶対に知っておくべき

公的給付・助成金 完全ガイド

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老齢年金への上乗せ3種・雇用保険給付3種・介護保険給付2種 ── 合計8種を徹底解説

申請しなければ1円ももらえません。今すぐ確認しましょう。

はじめに ── 「知らなかった」では大損する老後のお金

「人生100年時代」という言葉をよく聞くようになりました。長生きできる喜びがある一方、老後の生活費に漠然とした不安を感じている方も多いのではないでしょうか。

実は、60歳を過ぎると国から受け取れる公的給付金が一気に増えます。年金に上乗せしてもらえるもの、再就職を支援してもらえるもの、介護費用を減らしてもらえるもの──これらを知っているかどうかで、老後の生活水準が大きく変わります。

しかし困ったことに、これらの給付金の多くは「申請しなければ自動的にはもらえない」制度です。知らないまま何年も損をしているシニアが実際にたくさんいます。

この記事では、60歳以上の方を対象とした公的給付・助成金8種類を、中学生でもわかるように、わかりやすい図表を使って完全解説します。ぜひ最後まで読んで、使える制度を一つ残らず活用してください。

【全体マップ】8つの公的給付を3グループで整理する

まずは全体像を把握しましょう。8つの給付金は下の3つのグループに分けられます。

グループ給付金の数給付金の名前
A. 年金上乗せ系3種類加給年金 / 振替加算 / 老齢年金生活者支援給付金
B. 雇用保険系(働くシニア向け)3種類再就職手当 / 高年齢雇用継続給付 / 高年齢求職者給付金
C. 介護保険系2種類住宅改修費 / 高額介護サービス費
第1章|年金に上乗せしてもらえる給付金3選

老齢年金を受け取っている方が、条件を満たせば「追加でもらえる」給付金が3種類あります。それぞれ要件が異なるため、自分に当てはまるものを必ず確認しましょう。

① 加給年金(かきゅうねんきん)

■ わかりやすく言うと?

「年金版の家族手当」です。自分が65歳になったとき、扶養している配偶者や子どもがいると、年金に追加のお金が上乗せされます。

■ もらえる条件

条件の項目内容
対象年齢65歳以上
必要な加入期間厚生年金の被保険者期間が20年以上
扶養条件65歳未満の配偶者 または 18歳到達年度末までの子(障害者は20歳未満)を扶養している

■ もらえる金額(年額)

対象者年額
配偶者24万3,800円(さらに生年月日に応じて特別加算あり)
1人目・2人目の子各23万9,300円
3人目以降の子各8万1,300円
⚠️ 注意:加給年金は自動的にはもらえません。必ず日本年金機構へ届出が必要です。また、配偶者が65歳になると加給年金は停止されます(→ 振替加算へ切替)。

② 振替加算(ふりかえかさん)

■ わかりやすく言うと?

「配偶者が65歳になって加給年金が止まるかわりに、今度は配偶者自身の年金に上乗せされる制度」です。夫の年金から妻の年金へバトンタッチするようなイメージです。

■ もらえる条件(3つすべてを満たすこと)

  • 大正15年4月2日〜昭和41年4月1日の間に生まれていること
  • 厚生年金保険・共済組合の加入期間の合計が240か月(20年)未満であること
  • 配偶者が加給年金の受給者であったこと(65歳未満のとき加給年金が加算されていたこと)

■ もらえる金額(年額)

生年月日年額(目安)
昭和2年4月1日以前生まれ24万3,100円
昭和36年4月2日〜昭和41年4月1日生まれ1万6,335円
昭和41年4月2日以降生まれ0円(対象外)
⚠️ 注意:生まれた年によって金額が変わります。若い世代ほど金額が少なく、昭和41年4月2日以降に生まれた方は振替加算はありません。

③ 老齢年金生活者支援給付金

■ わかりやすく言うと?

「年金だけでは生活が苦しい低所得の高齢者に、月々5,000円前後を追加で給付する制度」です。2019年10月にスタートしました。

■ もらえる条件(3つすべてを満たすこと)

  • 65歳以上で老齢基礎年金を受給していること
  • 同一世帯の全員が市町村民税非課税であること
  • 前年の公的年金等収入+その他所得の合計が一定額以下であること(昭和31年4月2日以後生まれ:90万9,000円以下、以前生まれ:90万6,700円以下)

■ 給付額の計算式

給付月額 =(5,620円 × 保険料納付済期間 ÷ 480月)+(1万1,768円 × 保険料免除期間 ÷ 480月) 例:納付済期間が360か月の場合 → 5,620円 × 360÷480 ≒ 月額4,215円
⚠️ 注意:この給付金も申請が必要です。日本年金機構からハガキが届いた方は速やかに申請してください。申請が遅れると遡って受け取れない場合があります。
第2章|働くシニアを支える雇用保険の給付金3選

60歳以降も働き続けたい、あるいは再就職を目指したいというシニアの方を支える雇用保険の給付金が3種類あります。「雇用保険って若い人向けじゃないの?」と思いがちですが、シニアも対象です。

④ 再就職手当(さいしゅうしょくてあて)

■ わかりやすく言うと?

「早めに再就職すると、残った失業給付の一部をまとめてもらえるボーナス制度」です。早く再就職するほどお得になります。

■ もらえる条件

  • 雇用保険の基本手当(失業給付)を受給している
  • 再就職日の前日までの支給残日数が、所定給付日数の3分の1以上残っている
  • 1年を超えて勤務する見込みで再就職または事業を開始した
  • 離職前の事業主や関連会社への再就職ではない

■ 支給額の計算式

残日数の状況支給額
残日数が所定給付日数の2/3以上基本手当の日額 × 残日数 × 70%
残日数が所定給付日数の1/3以上2/3未満基本手当の日額 × 残日数 × 60%
⚠️ ポイント:残日数が多いほど(早期に再就職するほど)支給額は増えます。給付期間終了ギリギリに再就職すると、もらえる金額は大幅に減ります。

⑤ 高年齢雇用継続給付(こうねんれいこようけいぞくきゅうふ)

■ わかりやすく言うと?

「60歳以降に給料が大きく下がってしまった方に、給料の一部を補填(ほてん)してくれる制度」です。定年再雇用などで給料が下がった方に特に重要です。

■ もらえる条件

  • 雇用保険の被保険者期間が通算5年以上ある
  • 60歳以上65歳未満の雇用保険被保険者である
  • 60歳時点の賃金より現在の賃金が75%未満に低下している

■ 支給率の仕組み

60歳時点と比べた賃金の低下支給率(目安)
61%以下に低下した場合現在の賃金の最大15%(令和7年4月以降は最大10%)
61%超〜75%未満に低下した場合低下率に応じて段階的に変化
75%以上の場合支給なし
⚠️ 注意:令和7年(2025年)4月から支給率が最大15%→10%に引き下げられました。また令和10年度末に廃止予定です。対象の方は早めに申請を。

⑥ 高年齢求職者給付金(こうねんれいきゅうしょくしゃきゅうふきん)

■ わかりやすく言うと?

「65歳以上で仕事をやめて、また働きたいと思っている方がもらえる失業給付金」です。通常の失業給付と違い一時金として支払われます。

■ もらえる条件

  • 65歳以上の高年齢被保険者が離職した
  • 離職日以前1年間に、雇用保険の被保険者期間が通算6か月以上ある
  • 積極的に求職活動をしているが就職できない状態(失業状態)にある

■ 支給額

加入期間支給額
被保険者であった期間が1年未満基本手当の日額 × 30日分(一時金)
被保険者であった期間が1年以上基本手当の日額 × 50日分(一時金)
⚠️ ポイント:65歳以上の方は「高年齢被保険者」となるため、通常の基本手当(最大150〜360日分)とは違い、一時金での支給です。年金受給者であっても申請可能です。
第3章|介護費用の自己負担を減らす給付金2選

高齢になると介護が必要になることがあります。介護にかかるお金は意外と大きく、家計の負担になりがちです。しかし、介護保険にはそうした自己負担を大幅に減らしてくれる制度が用意されています。

⑦ 住宅改修費(じゅうたくかいしゅうひ)

■ わかりやすく言うと?

「要介護・要支援の方が自宅に手すりを付けたり、段差をなくしたりするリフォームをする際に、工事費の9割前後を介護保険が出してくれる制度」です。

■ 対象となる改修工事の種類

  • 手すりの取り付け(廊下・トイレ・浴室・階段など)
  • 段差の解消(敷居の撤去、スロープの設置など)
  • 滑り防止のための床材変更(タイル→ノンスリップ素材など)
  • 引き戸への扉の取り替え
  • 和式便器から洋式便器への取り替え
  • 上記に付帯して必要な工事

■ 支給限度額と自己負担

項目内容
支給限度基準額(生涯合計)20万円
自己負担の割合1割〜3割(所得に応じて)
実際に支給される金額20万円のうち7〜9割(14〜18万円)
再度使える条件要介護度が3段階以上上昇したとき / 転居したとき
⚠️ 超重要:工事着工「前」に必ず市区町村へ事前申請が必要です。先に工事をしてしまうと、原則として全額自己負担になります。ケアマネジャーにも必ず事前相談しましょう。

⑧ 高額介護サービス費(こうがくかいごサービスひ)

■ わかりやすく言うと?

「1か月の介護費用の自己負担額が上限を超えたら、超えた分が後で戻ってくる制度」です。医療費の高額療養費制度の介護版と考えるとわかりやすいです。

■ 所得に応じた自己負担の上限額(月額)

所得区分月の上限額(世帯)
課税所得690万円以上(年収約1,160万円〜)14万100円
課税所得380万円〜690万円未満(年収約770〜1,160万円)9万3,000円
市町村民税課税〜課税所得380万円未満4万4,400円
世帯全員が市町村民税非課税2万4,600円
前年の年金収入+その他所得が80万円以下の方など2万4,600円(世帯) / 1万5,000円(個人)
生活保護を受給している方1万5,000円

■ 仕組みの例(わかりやすい具体例)

【ケース】市町村民税非課税の75歳の方が、1か月に介護サービスを3万円分利用した場合   ➀ 自己負担(1割)= 3,000円   ➁ 上限額= 2万4,600円   ➂ 自己負担3,000円 < 上限2万4,600円 → この月は高額介護サービス費の払い戻しなし   ※自己負担が上限を超えた月に申請すると、超えた分が払い戻されます。
⚠️ 注意:高額介護サービス費も申請が必要です。初回は市区町村から通知が来る場合がありますが、自分から申請する必要があるケースもあります。
【まとめチェックリスト】あなたはいくつ受け取れる?

以下のチェックリストで、ご自身やご家族が受け取れる給付金を確認してみましょう。

給付金の名前チェックポイント(簡易版)
加給年金65歳以上・厚生年金20年以上・配偶者や子を扶養している
振替加算昭和41年4月1日以前生まれの配偶者がいる
老齢年金生活者支援給付金65歳以上・住民税非課税世帯・年金収入等が90万9,000円以下
再就職手当雇用保険の失業給付を受けながら再就職した(残日数が1/3以上)
高年齢雇用継続給付60〜64歳・雇用保険5年以上・60歳時より給与が75%未満に低下
高年齢求職者給付金65歳以上・雇用保険6か月以上・積極的に求職中
住宅改修費要介護・要支援認定を受けており、自宅改修を検討している
高額介護サービス費介護保険サービスの自己負担が月の上限額を超えた月がある
よくある質問(Q&A)

Q1. 年金をもらいながら給付金を申請しても大丈夫ですか?

A. 基本的に問題ありません。年金に上乗せする制度や介護保険の給付は、年金の受給とは別に申請できます。ただし、雇用保険の給付と老齢年金は同時に受け取れないケースもあるため(在職老齢年金の調整など)、詳しくはハローワーク・日本年金機構にご相談ください。

Q2. 申請を忘れていた場合、さかのぼってもらえますか?

A. 給付金の種類によって異なります。年金生活者支援給付金は申請月の翌月から支給となるため、遡及はありません。一方、加給年金や振替加算は一定条件のもと遡及請求できる場合があります。気づいたら早めに申請・相談することが大切です。

Q3. 申請はどこでできますか?

・加給年金・振替加算・老齢年金生活者支援給付金 → 日本年金機構(年金事務所)または市区町村役場 ・再就職手当・高年齢雇用継続給付・高年齢求職者給付金 → ハローワーク(公共職業安定所) ・住宅改修費・高額介護サービス費 → 市区町村の介護保険窓口
まとめ ── 「申請」が老後を変える

今回ご紹介した8種類の公的給付金は、どれも条件を満たした方が「申請する」ことで受け取れます。逆に言えば、申請しなければ1円ももらえません。

物価の上昇が続く今、これらの給付金を組み合わせるだけで、毎月の生活費の一部をカバーすることができます。特に年金生活者支援給付金や高年齢雇用継続給付は、知らずにいる方が多い「もったいない制度」の代表格です。

まずは本記事のチェックリストを使って、自分や家族に当てはまる給付金がないかを確認しましょう。不明な点は、年金事務所・ハローワーク・市区町村窓口・ケアマネジャーに遠慮なく相談してください。

「人生100年時代」の高齢期を、公的な支援をフル活用してより豊かに過ごしてください。

【参考資料・公式情報源】 ・日本年金機構「加給年金額と振替加算」 https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/seido/roureinenkin/kakyu-hurikae/20150401.html ・厚生労働省「年金生活者支援給付金制度について」 https://www.mhlw.go.jp/nenkinkyuufukin/system.html ・厚生労働省「再就職手当のご案内」 https://www.hellowork.mhlw.go.jp/doc/saishuushokuteate.pdf ・厚生労働省「令和7年4月1日から高年齢雇用継続給付の支給率を変更します」 https://www.mhlw.go.jp/content/001328827.pdf ・厚生労働省「離職されたみなさまへ〈高年齢求職者給付金のご案内〉」 https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/000695108.pdf ・厚生労働省「令和3年8月利用分から高額介護サービス費の負担限度額が見直されます」 https://www.mhlw.go.jp/content/000334526.pdf

本記事は2026年4月時点の情報に基づいています。制度は変更される場合がありますので、最新情報は各公式窓口にてご確認ください。

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