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無申告の税務調査
近年、利益を得ているにもかかわらず申告の義務すら履行していない無申告者に対する税務調査が強化されている印象を強く受けます。
無申告となっている場合でも、それぞれ何らかの理由があろうかと考えます。
- 申告の必要性を知らない。またはよく分からない。
- 申告の必要性は知っているが、経営が苦しく税理士に申告を依頼する資金もない。
申告したとしても赤字で税金は出ない。 - 申告の必要性は知っているが、儲けたお金を税金として納めたくない。
この中でも、「申告の必要性は知っているが、儲けたお金を税金として納めたくない」と考える納税者に対しては優先的に税務調査が行われています。
反面調査や推計課税
無申告の場合、売上や経費の金額判明する帳簿や請求書といった資料の整理が行き届いていないケースが多々見受けられます。
税務調査において資料の保存がなく正しい所得金額が計算し難いとき、税務当局は、取引先や取引金融機関に反面調査を行い、売上や経費の金額を把握することになります。場合によっては無申告であることが取引先等にも明るみになり、今後の取引に支障を来す恐れもあります。
また、無申告の場合、そもそも青色申告を選択していないか、選択していたとしても既に青色申告の承認を取り消され、白色申告が適用となっているケースが大半となっています。
白色申告の場合には、推計課税により所得金が計算されることがあり、場合によっては実際の金額よりも多く納税しなければならなくなる恐れがあります。
赤字であっても課税売上が1,000万円を超えると調査対象に
事業者は、消費税の対象となる課税売上に係る消費税を顧客から預かっています。
課税売上が年間1,000万円を超える場合には、消費税の申告と納税義務が生じます。
消費税の納税額は、課税売上に係る消費税から、課税仕入に係る消費税を控除して計算しますが、一般的には業績が赤字であっても納税額が発生する場合がほとんどです。
そのため、赤字であっても売上が1,000万円を超える場合には、税務調査を受ける可能性が極めて高いと考えられます。
消費税率が10%となり、事業者が納税すべき消費税額も非常に高額となっています。
また、課税仕入れに係る消費税を控除するためには、請求書等の保存が要件となっています。
請求書等の保存がない場合には、課税仕入れに係る消費税の控除が認められず、消費税の納税額が更に高額となります。
早急に税理士にご相談を
無申告となっている方の中には、いつ税務調査があるのか不安な気持ちで日々過ごしている方もいらっしゃるかと存じます。
税務調査を受ける前に自主的に申告することで、課税される税額を抑えることができますので、早急にご相談ください。