【2026年版】

上半期が終わる前に!

経営者が今すぐやっておくべき

中間節税チェック 完全ガイド

決算月に後悔しないために、今すぐ動ける5つの節税チェックを徹底解説!

はじめに|なぜ「今」動くことが大切なのか

「決算月に慌てて節税策を探したが、もう手遅れだった……」

これは経営者によくある失敗談です。節税は「決算直前に急いでやるもの」というイメージを持つ方も多いですが、実はそれが最大の落とし穴。

節税は 仕込みのタイミングが命 です。今まさに上半期が終わろうとしているこの時期こそ、残り半年の打ち手を決める最大のチャンス。「残り半年」のタイミングで動き始めることが、今期の節税を成功させる鍵になります。

本記事では中学生でも理解できるよう、節税の基本から実務レベルのチェックポイントまでをわかりやすく整理しました。ぜひ最後までお読みください。

節税には「仕込み型」と「駆け込み型」の2種類がある

節税策は大きく2種類に分かれます。この違いを理解するだけで、節税の成否が大きく変わってきます。

タイプ主な施策動くべき時期
仕込み型(事前準備が必要)経営セーフティ共済の加入・増額 経営力向上計画の認定申請 役員報酬の変更決算の3〜6か月前
駆け込み型(期末でも対応可)少額消耗品の購入 広告宣伝費の前倒し発注 決算賞与の支給決算1〜2か月前
📌 ポイント 今まさに上半期が終わろうとしているこの時期は、「仕込み型」の節税策を動かせるラストチャンスです。この時期を逃すと、今期は何もできないまま決算を迎えることになります。

まず現状把握|上半期の利益を今すぐ確認する

月次試算表を経営判断ツールとして活用する

節税を考える前に、まず「今期いくら利益が出そうか」を把握することが出発点です。試算表を税理士任せにして自分では見ていない、という経営者は意外に多いものです。

月次試算表は単なる経理書類ではなく、利益見通しを早期に把握するための経営判断ツールです。理想は月次15日までに前月分を締め、月末までに経営者自身がレビューするサイクルを作ること。クラウド会計ソフト(弥生・freee・マネーフォワードクラウドなど)を導入すると月次決算のスピードが大幅に上がります。

また、会計ソフトを導入するだけでなく、請求書の受取から記帳までの一連の業務フローをデジタル化・仕組み化し、経営者が実務に追われなくても自動で数字が上がってくる体制を作ることが、最速の現状把握につながります。

年間着地予想の立て方|3つの数字を見るだけでOK

難しく考える必要はありません。以下の3つの数字を前年同期と比較するだけで、今期の着地イメージがほぼ見えてきます。

確認する数字チェックするポイント判断基準
① 売上高前年同期比で増減トレンドを確認増加→積極的に節税を仕込む
② 売上総利益(粗利)原価率の変化をチェック原価率上昇→利益圧迫に注意
③ 営業利益販管費を含めた本業の稼ぎを確認予想より多い→節税仕込みのチャンス

「このペースで行くと年間利益はおよそ○○円になりそう」という感覚を今の時期に持っておくことが、以降の節税策の判断材料になります。

節税チェック①|経営セーフティ共済(倒産防止共済)への加入・増額

経営セーフティ共済とは?

経営セーフティ共済(中小企業倒産防止共済)は、取引先が倒産した際に無担保・無保証で借入ができる中小企業向けの共済制度です。節税面では掛金が全額損金算入できるという大きなメリットがあります。

🏦 中学生でもわかる!経営セーフティ共済とは? たとえるなら「お金を貯めながら節税もできる貯金箱」のようなもの。 毎月一定額(最大20万円)を掛け金として積み立てると、その全額が「経費(損金)」として認められます。つまり、積み立てながら税金も減らせるのです! 40か月以上積み立てれば、解約時に全額戻ってくる仕組みになっています。
項目内容
掛金(月額)5,000円〜20万円(5,000円単位で選択)
積立上限累計800万円
税務上の扱い掛金の全額が損金(法人)または必要経費(個人事業主)に算入
解約返戻金40か月以上加入で掛金全額が戻る
申し込み方法金融機関(銀行・信用金庫など)の窓口経由

今の時期に加入・増額を検討すべき理由

倒産防止共済は「過去の月に遡って掛金を払う」ことや「増額」は制度上できません。決算月に慌てて過去分を埋め合わせることは不可能です。

経営セーフティ共済は加入月から損金算入が始まるため、今月加入すれば今期の残り月数分がそのまま節税に直結します。また、掛金を前納(最大12か月分)することで、一度に大きな損金を作ることも可能です。

⚠️ 注意!2024年10月以降の再加入ルール変更 2024年10月1日以降に共済契約を解約し、再度契約を締結した場合、解約日から2年を経過する日までに支出する掛金は、必要経費または損金に算入できません。節税目的で意図的に解約・再加入するスキームは使えなくなりましたので、慎重に判断してください。

節税チェック②|設備投資の即時償却を活用する

少額減価償却資産の特例が2026年度に拡充

まず「減価償却」という言葉を中学生向けに解説しましょう。

🎓 減価償却ってなに? たとえば50万円のパソコンを買ったとします。普通なら「50万円を数年に分けて経費にする(減価償却)」ルールがあります。 でも「即時償却」を使えば、買った年に50万円全額を一気に経費にできます。→その分、今年の税金を大きく減らせるのです!

2026年度の税制改正で、少額減価償却資産の特例の上限が30万円未満から40万円未満に引き上げられました(年間300万円の総額枠は変わらず)。

これにより「30万円をわずかに超えるから分割計上せざるを得なかった」PC・業務ソフト・什器などが、今期中の一括損金算入の対象になります。

⚠️ 絶対に忘れないで!事業供用の条件 「設備の購入(取得)」だけでなく、「今期中に納品され、実際に事業で使い始めていること(事業の用に供していること)」が損金算入の絶対条件です。箱から出していない状態では否認されるリスクがあります。

経営強化税制による即時償却|手続きの流れ

より大きな設備投資には、経営強化税制(中小企業経営強化税制)による即時償却または10%税額控除が活用できます。

設備区分内容
A類型最新モデルの機械・装置、工具、器具備品、建物附属設備、ソフトウェアなど
B類型投資収益率が年平均5%以上(2026年度改正で7%以上に引き上げ予定)の設備

手続きの流れは「①工業会等による確認(A類型)または経済産業局への事前確認(B類型)→②経営力向上計画を申請→③認定後に設備取得→④税務申告で適用」となります。

認定までの期間は申請先や内容によって異なりますが、標準処理期間は30日程度です。書類不備がある場合はさらに時間がかかることもあるため、今から動き始めることが重要です。

📌 今動けば今期に間に合う! 今の時期から申請を始めれば「認定→設備取得→今期の節税」という流れが現実的なラインに入ります。決算直前に「設備を買って節税しよう」と思い立っても、認定が間に合わず翌期に先送りになるケースが頻繁に起きます。

節税チェック③|役員報酬の見直しタイミングを確認する

役員報酬は「事業年度開始から3か月以内」しか変更できない

法人が役員報酬を損金算入するには、毎月同額を支払う「定期同額給与」であることが原則です。そして、この金額を変更できるのは原則として事業年度開始から3か月以内のみです。

期中に業績が好調だからといって役員報酬を増やしても、増額分は損金に算入されないリスクがあります。

決算月役員報酬変更の期限
3月決算6月末まで(すでに期限到来)
6月決算9月末まで
9月決算12月末まで
12月決算3月末まで

来期の役員報酬設計に向けて今から準備する

今期の変更が間に合わなかった3月決算法人でも、今の時期から来期の役員報酬をシミュレーションしておくことには大きな意味があります。

毎月の定額報酬だけでなく、あらかじめ税務署に届け出ることで損金算入が可能になる「事前確定届出給与(役員への賞与)」の活用も含めて、来期の報酬設計を今からシミュレーションしておきましょう。

📌 バランスを考えた役員報酬の設計が重要 役員報酬が高すぎると法人の課税所得は下がりますが、役員個人の所得税・社会保険料が増えます。低すぎると法人に利益が残り法人税が増えます。法人税と個人の所得税・社会保険料のバランスが最適になる水準を、今期の利益着地予想をもとに試算しておきましょう。

節税チェック④|広告宣伝費・修繕費の前倒し発注を検討する

今期中に使い切れる経費を洗い出す

上半期の利益が想定より多く出ている場合、今期中に予定していた支出を前倒しすることで課税所得を圧縮できます。

経費の種類前倒し例注意点
広告宣伝費Web広告の出稿増額、チラシ・カタログの制作・印刷実際に使われた広告費であること
修繕費オフィスや店舗の修繕・メンテナンス資本的支出と修繕費の区別に注意
消耗品費事務用品、備品の補充年間300万円の少額特例枠に注意
研修・採用費社員研修、求人広告業務に関連する研修であること
⚠️ 大切な前提:「本当に必要な支出の前倒し」であること 節税のためだけに実態のない支出を作ることは、税務調査で否認されるリスクがあります。また、経費の過度な前倒しは手元資金を圧迫します。必ず資金繰り表とセットで、無理のない範囲で実行することが大前提です。

短期前払費用の特例も視野に

毎月継続して発生する一定のサービス費用については、契約内容や支払条件によって、短期前払費用の特例を検討できる場合があります。

適用の主な条件 
条件①サービスの提供期間が1年以内であること
条件②継続して同様の処理をすること(毎期継続適用が必要)
条件③収益と対応させる必要がない費用であること
条件④年払いという契約に基づくものであること
条件⑤支払った事業年度内にサービスの提供が開始されていること

たとえば、月額10万円のオフィス家賃を7月に12か月分(120万円)前払いすれば、今期に120万円を一括で損金算入できます。ただし、顧問料など人的役務の性質が強い費用は判断が分かれやすいため、税理士に確認しましょう。

やってはいけない!駆け込み節税の落とし穴

税務調査で否認されやすい3つのNG

節税への意識が高まる時期だからこそ、やってはいけない行為も確認しておきましょう。以下の3パターンは税務調査で否認されやすく、重加算税(本来の税額の35〜40%)が課されるリスクがあります。

NGパターン内容リスク
①手続きなしの役員賞与事前確定届出給与の届出を税務署に提出せずに役員へ賞与を支払っても、損金算入は認められない全額が損金否認される
②実態のない経費計上実際に使っていない経費や、プライベートと混同した支出を経費にすること重加算税(35〜40%)のリスク
③事業供用前の前倒し計上購入・発注したが期末までに事業に使っていない設備を今期の損金として計上すること損金否認・追徴課税

「節税」と「脱税」の境界線

節税(合法)脱税(違法)
国が用意した制度を正しく活用した結果として税負担が下がること事実を隠したり架空の支出を作ったりして税額を減らすこと

「制度に沿って使った結果として節税になる」という順序を守ることが、長期的に最も安定した決算対策につながります。判断に迷う施策は、必ず顧問税理士に相談してから実行しましょう。

今すぐできる!中間節税チェックリスト

この記事の内容を、すぐに確認できるチェックリストとしてまとめました。ひとつずつ確認してみてください。

チェック項目今すぐやること
□ 上半期の利益を確認した試算表を開いて年間着地予想を概算する
□ 経営セーフティ共済を検討した未加入なら申込手続きを開始。加入済みなら増額・前納を検討
□ 設備投資の計画を確認した今期中に必要な設備があれば経営力向上計画の申請を開始
□ 役員報酬の変更期限を確認した自社の決算月から変更期限を逆算し、来期の水準をシミュレーション
□ 前倒しできる経費を洗い出した広告・修繕・短期前払費用の対象費用をリストアップ
□ NG施策を確認した実態のない経費・手続きなしの役員賞与が混入していないか点検

まとめ|節税は「今動く人」と「後で後悔する人」に分かれる

節税は「決算直前に慌てて動くもの」ではなく、「上半期が終わる今の時期から仕込んでおくもの」です。

今から動ける節税策効果
経営セーフティ共済への加入・増額掛金全額が今期の損金に(最大240万円/年)
設備投資の経営力向上計画申請即時償却で大きな節税が可能
役員報酬の見直しシミュレーション来期の最適報酬設計につながる
広告・修繕費の前倒し発注実需要に基づいた課税所得の圧縮
短期前払費用の活用検討年払いで一括損金計上が可能に

まず試算表を開いて上半期の利益を確認し、顧問税理士と30分話す時間を作ることが、今できる最善の一歩です。

「今動ける人」と「決算月に後悔する人」の差は、 情報とタイミングだけです。 ぜひこの記事をきっかけに、今期の節税対策を前倒しでスタートしてください!

【免責事項】

本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の税務・法務アドバイスを提供するものではありません。税務上の判断や手続きについては、必ず担当の税理士または専門家にご相談ください。税制は毎年改正されることがあります。最新情報は国税庁ウェブサイトおよび顧問税理士にてご確認ください。

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