遺言信託とは?特徴・メリット・デメリットとトラブルを避けるポイントを徹底解説

〜中学生でもわかる!相続・遺言書の専門用語を図解でやさしく説明〜

📌 この記事のポイント ・「遺言信託」には2つの意味がある(信託法上の遺言信託 / 信託銀行のサービス) ・遺言書の作成・保管・執行を一括でサポートしてもらえる便利なサービス ・費用が高額になりやすい(数十万〜数百万円以上) ・費用の内訳を事前に確認し、弁護士・税理士などとも比較することが大切

はじめに:「遺言信託」って何?難しそうだけど大丈夫!

「遺言信託(いごんしんたく)」という言葉を聞いたことがありますか?

むずかしそうな言葉ですが、ひとことで言えば「自分が亡くなった後、財産をどう分けるかを書いた手紙(遺言書)を、信託銀行などに作ってもらったり、保管してもらったり、実行してもらったりするサービス」のことです。

お金や不動産(土地・家)を持っている方が、「自分が死んだ後に家族でもめないようにしたい」「ちゃんと自分の意思通りに財産を渡したい」と思ったときに役立つサービスです。

この記事では、遺言信託の基礎から、メリット・デメリット、注意点まで、中学生でもわかるようにやさしく解説します。

📋 目次 1. 遺言信託とは?2つの意味を整理しよう 2. 遺言信託サービスでできること(3つの主なサービス内容) 3. 遺言信託サービスのメリット・デメリット(比較表あり) 4. 遺言信託サービスの申込方法 5. トラブルを避けるための2つのポイント 6. 専門家別サポート内容の比較表 7. まとめ 8. よくある質問(FAQ)

1. 遺言信託とは?2つの意味を整理しよう

実は「遺言信託」には、法律で定められた意味と、世間で一般的に使われる意味の2種類があります。それぞれ見ていきましょう。

① 信託法(法律)で定められた「遺言信託」

信託法という法律には、「遺言書を使って信託(財産の管理を他人に任せる仕組み)を設定できる」と書かれています。これが法律上の「遺言信託」です。

少し難しいですが、簡単に言うと「亡くなった後に、信頼できる人(または会社)に財産の管理・処分をお願いする約束を遺言書に書く」ということです。

② 信託銀行などが提供する「遺言信託サービス」

一方、実際に生活の中で「遺言信託」と言う場合のほとんどは、信託銀行(例:三菱UFJ信託銀行、三井住友信託銀行など)が提供している「遺言書の作成・保管・執行をサポートするサービス」のことを指しています。

本記事では、こちらの「信託銀行などが提供するサービスとしての遺言信託」を中心に解説します。

【①法律上の遺言信託】   根拠:信託法 内容:遺言書で信託(財産管理の委任)を設定する 使われ方:法律・専門家の世界で使う言葉【②信託銀行のサービス】   提供者:信託銀行・信託会社など 内容:遺言書の作成・保管・執行のサポート 使われ方:一般的に広く使われる言葉

2. 遺言信託サービスでできること(3つの主なサービス内容)

信託銀行が提供する遺言信託サービスは、大きく分けて以下の3つの内容から構成されています。

遺言書の作成遺言書の保管遺言書の執行
どのように財産を分けるかなど内容のアドバイスを受けられる ▶ 公正証書遺言の作成時には信託銀行職員が証人として立ち会う完成した遺言書(公正証書遺言の正本)を、相続が始まるまで信託銀行が預かって保管する信託銀行が「遺言執行者」に就任し、遺言書の内容を実際に実行する ▶ 預貯金・有価証券の相続手続き、不動産の相続登記など

「遺言書の執行」ってどういうこと?

「執行(しっこう)」とは、「実際に行動すること」という意味です。

遺言書に「息子Aに家を渡す」「娘Bに預金100万円を渡す」と書いてあったとしても、誰かが実際に手続きをしなければ何も動きません。その手続きを実行する人が「遺言執行者」であり、信託銀行のサービスではこの役割を信託銀行が担います。

3. 遺言信託サービスのメリット・デメリット(比較表あり)

メリット

メリット①:作成・保管・執行をまとめて任せられる 相続に関する知識がなくても、信託銀行の担当者に案内してもらいながら、法的に有効な遺言書を作ることができます。 自分が亡くなった後は、遺言書の内容を実現するための手続きを信託銀行が行ってくれるため、遺族への負担が大幅に軽減されます。
メリット②:大手事業者による安心感・継続性がある 弁護士や税理士などの個人事務所に依頼する場合、担当者が先に亡くなったり、廃業したりするリスクがあります。 信託銀行は組織として運営されているため、担当者が変わってもサービスが継続されます。長期にわたる契約でも安心です。
メリット③:資産運用のアドバイスも受けられる 信託銀行との関係ができることで、相続以外にも資産運用(投資など)についてのアドバイスを受けやすくなるという副次的なメリットもあります。

デメリット

デメリット①:費用が非常に高額になりやすい 遺言信託サービスには申込時の費用・保管料・執行報酬と複数の費用が発生します。   費用の種類 発生するタイミング おおよその金額 申込費用 サービス申込時 数十万円程度 保管料 保管期間中(毎年) 数千円〜数万円/年 遺言執行報酬 相続発生後(執行時) 財産規模により 数百万円以上になる場合も   ⚠ これらの費用には、税理士・司法書士・弁護士などへの費用は含まれていないため、別途追加費用が発生します。
デメリット②:対応できない内容もある 「財産の分け方」以外のこと(例:子供の教育方針、ペットの世話のお願いなど)を遺言書に盛り込みたい場合は、信託銀行の遺言信託サービスでは対応できないケースがあります。 その場合は、別途弁護士などの専門家に依頼する必要があります。

メリット・デメリット 一覧比較表

比較項目✅ メリット❌ デメリット
サービス範囲作成・保管・執行を一括対応財産以外の事項に対応できない場合あり
安心感・継続性大手機関による組織的サポート担当者との個別関係は築きにくい
費用サービスが明確でわかりやすい申込・保管・執行で高額になりやすい
専門性幅広い業務に対応相続税申告・登記は別途専門家が必要
資産運用銀行との関係でアドバイスも可能信託銀行側の商品を薦められる可能性も

4. 遺言信託サービスの申込方法

遺言信託サービスへの申込みは、信託銀行などの窓口(店舗)またはオンラインで受け付けています。

まずは信託銀行のウェブサイトや電話で「相談予約」を取ることから始めましょう。

📝 申込の流れ(一般的な例) 信託銀行のウェブサイトや電話で「相談予約」をする担当者と面談し、財産状況や希望を伝える遺言書の内容について相談・アドバイスを受ける内容が決まったら「公正証書遺言」を作成する(公証人役場で作成)完成した遺言書を信託銀行に預ける(保管開始)相続発生後、信託銀行が遺言執行者として手続きを進める
💡 「公正証書遺言」ってどういうもの? 公証人(国が認めた専門家)が作成に関与する、法的に最も信頼性の高い遺言書の形式です。公証人役場で作成し、原本は公証人役場に保管されます。信託銀行のサービスでは、この形式での遺言書作成をサポートしてもらえます。

5. トラブルを避けるための2つのポイント

信託銀行の遺言信託サービスに関しては、特に「費用」を巡るトラブルが起きやすいと言われています。後悔しないために、以下の2つのポイントを必ず押さえておきましょう。

ポイント①:費用の内訳と総額をきちんと確認する

信託銀行のウェブサイトには費用の案内が載っていますが、自分で読んだだけでは見落としが生じやすいです。

申込みの前に、担当者に直接質問して、かかる費用の内訳と総額をしっかり確認することが大切です。

🔍 確認すべきチェックリスト 申込時にかかる費用はいくらか?毎年の保管料はかかるか?いくらか?執行報酬の計算方法(財産額の何%か?)税理士・司法書士・弁護士などへの費用は別途かかるか?追加費用が発生するケースを教えてもらえるか?相続税申告が必要な場合、どの専門家に依頼するか?費用の目安は?

ポイント②:弁護士など他の専門家とも比較する

遺言書の作成・保管・執行に関するサポートは、信託銀行だけでなく、弁護士・税理士・司法書士・行政書士などの専門家も行っています。

信託銀行には「大手の安心感」がある一方、専門家に直接依頼した方が費用を抑えられるケースもあります。

最低限、いくつかの選択肢から見積もりを取って比較してから申し込むことが、後悔しないための最大のポイントです。

6. 専門家別サポート内容の比較表

遺言書に関わる専門家は複数います。それぞれの特徴を理解して、自分のニーズに合った依頼先を選びましょう。

専門家主な専門分野遺言書作成相続税申告不動産登記費用感
信託銀行遺言書の作成・保管・執行を一括対応×(別途税理士)×(別途司法書士)高め
弁護士法律全般・相続トラブル対応×(別途税理士)×(別途司法書士)中〜高
税理士税務全般・相続税の節税対策×(別途司法書士)
司法書士登記事務・不動産の名義変更×(別途税理士)
行政書士法律文書の作成・各種申請×(別途税理士)×(別途司法書士)低〜中

※ 相続税申告が必要な場合は必ず税理士、不動産の名義変更(相続登記)には司法書士の関与が必要です。費用感はあくまで一般的な目安であり、事務所・地域・財産規模によって異なります。

7. まとめ

📌 この記事のまとめ 遺言信託とは、信託銀行などが提供する「遺言書の作成・保管・執行をサポートするサービス」のことを指すことが多い遺言書の作成から執行まで一括サポートしてもらえる安心感・継続性が最大のメリット申込費用・保管料・執行報酬などトータルの費用が高額になりやすい点が最大のデメリット申込前に必ず費用の内訳と総額を担当者に確認すること弁護士・税理士・司法書士・行政書士など他の専門家とも比較・検討してから依頼先を決めること相続税申告が必要なケース・不動産登記が必要なケースは別途専門家(税理士・司法書士)への依頼が必要で、費用が追加される点に注意

遺言信託サービスは便利で安心感がありますが、費用が大きな負担になることも事実です。申込む前に「本当に自分に必要なサービスか」「費用に見合うか」を慎重に判断しましょう。複数の専門家に相談して、比較検討することを強くおすすめします。

8. よくある質問(FAQ)

Q1. 遺言信託サービスは誰でも利用できますか?

A. 基本的には誰でも利用できます。ただし、信託銀行によっては最低財産額の条件(例:財産が一定額以上)を設けている場合があります。また、認知症など判断能力が低下している場合は遺言書を作成できない場合があるため、早めに検討することが大切です。

Q2. 遺言書は作ったあとに変更できますか?

A. はい、変更できます。遺言書は法律上、何度でも書き直すことができます(最後に書いた遺言書が有効)。信託銀行のサービスを利用している場合も、所定の手続きをすれば内容の変更が可能です。ただし、変更の際には追加費用が発生する場合があります。

Q3. 遺言信託と民事信託(家族信託)は違いますか?

A. はい、違います。「民事信託(家族信託)」は、信託銀行ではなく家族や親族が受託者となって財産を管理する仕組みです。認知症対策として注目されており、財産管理の柔軟性が高い一方、信託銀行のサービスとは設計・費用・目的が大きく異なります。どちらが適しているかは、ご自身の状況や目的によって異なるため、専門家への相談をおすすめします。

Q4. 相続税の申告は遺言信託サービスに含まれますか?

A. 含まれません。遺言信託サービスは遺言書の作成・保管・執行(財産の移転手続き)が主な内容です。相続税の申告は別途税理士に依頼する必要があり、費用も別途発生します。相続税がかかる可能性がある方は、早い段階から税理士にも相談しておくことを強くおすすめします。

Q5. 遺言執行報酬はどのくらいかかりますか?

A. 信託銀行によって異なりますが、一般的に「相続財産の総額の○%」という形で計算されます。財産が1億円なら数十〜100万円以上、財産が数億円以上になると数百万円以上になるケースもあります。申込前に具体的な試算を依頼するようにしましょう。

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