税務調査で「プライベートだから」は通用しない理由を徹底解説


はじめに

税務調査と聞くと、「事業の内容だけを調べられるもの」と思っている方も少なくありません。
しかし実際の税務調査では、「事業に関係あるかどうか」という基準では判断されません。

税務調査の本質は、「その人(または法人)の正しい税額を確認すること」にあります。
そのため、調査対象は想像以上に広範囲に及びます。


税務調査の目的とは何か

税務調査の目的は大きく2つです。

・申告義務があるかどうかの確認
・申告内容が正しいかどうかの確認

申告書を提出していない場合は「そもそも申告義務があるのか」が確認されます。
申告書を提出している場合は「申告漏れや誤りがないか」が確認されます。

もし誤りや漏れが見つかった場合は、修正申告を求められます。
応じない場合は、更正や決定という形で税務署側が税額を確定させます。


なぜ家族名義の通帳まで調べられるのか

ここが最も重要なポイントです。

所得税は、その年の「すべての所得」に対して課税されます。
所得には以下の10種類があります。

利子所得、配当所得、不動産所得、事業所得、給与所得、退職所得、山林所得、譲渡所得、一時所得、雑所得

つまり、主たる事業所得だけでなく、あらゆる所得が調査対象になります。

さらに重要なのが「実質所得者課税の原則」です。

これは、名義ではなく「実際に利益を得ている人」に課税するという考え方です。
たとえ家族名義の口座であっても、実質的に本人の資金であれば、本人の所得と判断される可能性があります。

そのため、税務調査では家族名義の通帳や保険契約なども確認対象になり得ます。
「プライベートだから見せられない」という主張は、税法上は通用しないのです。


税務調査では“お金の流れ全体”が見られる

税務調査では、単に売上や経費だけを見るわけではありません。

調査官は次のような視点で確認します。

・所得額に対して資産が増えすぎていないか
・借入金が不自然に減っていないか
・生活費や消費支出が申告所得と合っているか

もし「申告所得より明らかにお金を使っている」場合、
「他に隠れた所得があるのではないか」と疑われます。

これを資産増減分析と呼びます。


法人税調査でも同様

法人税の調査でも同じです。

法人名義だけでなく、
役員や従業員名義の口座取引も、事業と関連があると判断されれば確認されます。

さらに必要があれば、消費税、源泉所得税、贈与税なども同時に調査されます。


税務調査で失敗する人の共通点

多くの失敗例は、

「事業だけ見ればいい」
「プライベートは関係ない」

と考えて準備をしていないケースです。

税務調査は“部分”ではなく“全体”を見ます。

事前にすべての資金の流れを整理し、
説明できる状態にしておくことが最大の防御策です。


まとめ

税務調査では、納税者のすべての経済取引が対象になります。

・事業所得だけではない
・家族名義口座も対象になり得る
・名義ではなく実質で判断される
・資産や生活費の動きも見られる

「プライベートだから」という考え方は通用しません。

重要なのは、税務調査が来る前に、
自分の資金の流れを総点検しておくことです。

正しい理解と準備こそが、税務調査対策の本質です。

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